研究課題/領域番号 |
16K00350
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
琴坂 信哉 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30334147)
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研究分担者 |
程島 竜一 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (10432006)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歩行ロボット / 運動軌道生成 / 歩容パターン生成 / グラフ理論 / 多脚歩行 |
研究実績の概要 |
今年度は,グラフ探索法のひとつであるダイクストラ法を応用した歩容生成手法として,不整地環境を1次元(直線移動,地面は穴の開いた1次元(直線状)の仮想的な平面)を対象とした歩容生成手法の実装を行った.市販のPhantom X(USA Trrosen Robotics社製6脚歩行ロボット)を対象として,実装を行い,不整地における脚接地可能箇所であることを想定した色マーカをランダムに配置した実験フィールドを製作し,歩行実験を行った.その結果,色マーカのみを足がかりとして歩行を行うことが実現できた.上記のシステムでは,色マーカをステレオカメラシステムにより,オンラインで検出し,それを脚接地可能点と判断して,本提案手法を用いた歩容パターン生成の後,適切な脚の運動軌道生成を行い,実機にて歩行を実現している. また,ある特定の地点で,ある特定の姿勢で歩容を終了させることのできる歩容パターン生成手法の生成も行った.これは,不整地において,適切な作業位置にロボットを停止させるために必要な軌道計画手法である.本手法では,グラフ探索手法の一つである双方向探索手法を用いて,探索時間の短縮化を図ると同時に,上記の通常歩容のための歩容パターン生成手法との互換性を維持することにした.本手法に関しては,ランダムに生成された地面パターン,および複数種類の繰り返し地面パターンに関して,歩容シミュレーション実験を行い,有効性の確認を行った.本成果に関しては,日本機械学会関東支部講演会にて発表を行った. 合わせて,超信地旋回を含む旋回歩容のための歩容パターン生成の検討を開始し,簡易なシミュレーションであるが,有効性の確認を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では平面状の不整地を対象に直線的な運動軌道に限定しているが,当初の計画通り実際に脚の軌道生成法を計算機に実装し,実機を用いた実験を行えていることから,概ね計画どおりに進んでいると考えている.ただし,予想していた通り脚軌道生成の計算コストが大きく,改善も必要であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
実機実験では自重により脚に負荷が加わり胴体姿勢が悪化する様子が確認され,その結果,遊脚の着地位置に誤差が生じ,計画通りの歩容が行えない場合があった.この問題を解決するため,ロボットの胴体姿勢の変化を考慮した脚軌道生成手法を開発する. また計算コストが大きくロボットの歩容パターンの遷移に時間を要するので,計算コストと探索深さ(歩容の質)について調査を行い改善手法について検討を行う予定である.
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