研究課題/領域番号 |
16K00365
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
工藤 康生 室蘭工業大学, 工学研究科, 教授 (90360966)
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研究分担者 |
村井 哲也 千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (90201805)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 情報推薦 / 関係性マイニング / ラフ集合 |
研究実績の概要 |
ラフ集合による関係性マイニングの情報推薦への応用に向けて,平成28年度は主に,1.関係性マイニングを用いた情報推薦手法の理論的側面に関する研究,および,2.これに基づく試作システムの実装を行った. 1.関係性マイニングにおける関係性属性の考え方を用いて,ユーザによる商品間の選好順序を関係性属性として表現し,ユーザベースの協調フィルタリングを用いて,関係性属性として表された選好順序の類似性をユーザ間で評価することを通じて,対象ユーザに推薦を行う手法を検討した. 関連して,関係性マイニングにおける関係性属性の作成手法は,関係性マイニングを用いた情報推薦手法にも大きな影響を及ぼすため,関係性属性の作成方法の改良を検討し,識別能力に着目した関係性属性の作成方法を提案した. 2.1.で検討した手法に基づく情報推薦システムを試作し,情報推薦の著名なベンチマークデータを用いて,各ユーザによる商品へのn段階評価値から関係性属性を作成し,対象ユーザに対する推薦を行う評価実験を行った.このように作成した関係性属性は,ユーザによる対象間の選好順序に矛盾を含まない場合に対応するため,本申請が目標とする,嗜好の矛盾を許容した情報推薦の準備段階となる.また,試作システムによる推薦と,関係性属性を用いない通常のユーザベース協調フィルタリングによる推薦との比較を行った.その結果、試作した情報推薦システムによる推薦は,通常のユーザベース協調フィルタリングによる推薦より,多様性のある推薦を行える可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請の基礎となる,関係性マイニングを用いた情報推薦手法について,その理論的基礎部分を検討しており,またこれに基づく情報推薦システムを試作し従来手法との比較を行っている(学会発表参照).以上より,本申請の現在までの進捗状況は,おおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
初年度の成果を踏まえ,試作システムと従来手法との比較実験から得られた知見に基づき,関係性マイニングを用いた情報推薦手法について,理論的側面の更なる整備を行うと共に,試作システムの改良を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は,本年度の成果に基づく,関係性マイニングを用いた情報推薦手法に関する学会発表等の準備が,次年度にずれこんだため生じたものである.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費は,研究打ち合わせおよび関係性マイニングを用いた情報推薦手法に関する国内外の会議での成果発表旅費,および論文の投稿費用・掲載費など(その他),英語投稿論文の英文校正など(謝金)に使用する予定である.
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