研究実績の概要 |
申請者は音声感情認識技術および「音声病態分析学」講座において,医療分野への技術応用研究を行っている.一連の研究において多くの精神疾患患者やストレス被曝者と接し,ストレスの大きな要素として「不安」「恐怖」の感情が影響していることが判った.そのため,この感情を簡易で非侵襲にて日常的に音声から分析できるような通信分析手法を開発する.また,健常者と患者に分けて医師の診断ラベル,生理データに基づいた「不安」「恐怖」の感情出現様相と音響パラメタを比較し,健常から未病状態そして発病までのプロセス特徴を導出し,予てより問題とされてきた,うつ病や双極性Ⅱ型,不安神経症,自死などの予防や未病対策,ケアやトリートメント,レジリエンス付与などへ応用できる基盤研究を行う.最初に申請者は大学内の倫理委員会の承認を得るため,被験者にストレスをかけずに「不安」「恐怖」の音声をどう取得するかという大きな課題に直面した.そのため,動画や絵画をt使った予備実験を行い,感情変化から特徴を検知できることを確認した.その後,絶叫マシンなどによる人の実験を可能にさせる実験の倫理員会での承認をもとめてゆくための申請に入っている.また最近の法改正や個人情報の解釈の規定改正などから,音声が個人情報として認定された.これをうけて実験計画全般の見直しが必要になった.またようやく協力同意を得ることができた精神科や大学病院との実験により「不安障害」患者の音声取得も可能性が出てきた.
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