研究課題/領域番号 |
16K00374
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 良幸 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40336920)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 筋感覚 / 生体運動制御メカニズム / 人間機械系 |
研究実績の概要 |
人間が有する筋感覚には抵抗覚に加えて位置覚(姿勢覚)があり,それぞれ空間的歪が存在することが知られている.したがって,操縦インターフェースの安心感と安全性を効果的に向上させるには,それらの相互関係も踏まえる必要があると考える. 本年度は,①筋感覚シナジーの諸特性を明らかにする上で必須となる身体姿勢データと多チャンネル筋電位信号の同時計測システムを構築するとともに,②筋骨格レベルも考慮した力学的解析プロセスを整備した.そして,③四肢運動による反力発生装置の操作による反力知覚特性と位置/姿勢知覚特性の基礎データを測定評価し,簡易的な数理モデルを構築した. ①に関しては,光学式モーションキャプチャ・システムが備える出力信号を活用して,反力発生装置で計測するセンサデータと,操縦者から測定した筋電位信号および姿勢データの同期化を実現した.②に関しては,OpenソースであるOpenSIMを利用して,モーションキャプチャで測定した姿勢データに対する筋骨格系の運動情報を解析できるように整備した.③に関しては,現有する反力発生装置を活用して,上肢/下肢による反力知覚特性と位置/姿勢知覚特性の測定評価を実施した.そして特に,上肢においては反力知覚特性と筋骨格系の運動情報に相関があることを実験的・解析的な結果を基に確認するとともに,下肢においては位置/姿勢知覚特性に関して簡易的な非線形数理モデルを考案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
簡易的な数理モデルを考案したが,その精度をさらに向上するには根拠となるデータ量を増やす必要があるとともに,モデル修正が予想される.これらの点は,測定解析を継続的に実施することで十分対処できると考える.
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今後の研究の推進方策 |
H29年度計画に基づいて,三次元反力提示装置を開発していく.並行して,測定データの充実と数理モデルの改良等を着実に進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
少額であるが,必要物品を安価に購入できた結果である.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度計画にある装置作成で使用する.
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