本研究では、可聴域上限をこえる超高周波成分を豊富に含む音が間脳・中脳を含む深部脳の活動を高め心身を賦活する現象(ハイパーソニック・エフェクト)の発現強度が、超高周波成分の周波数に応じて変化する現象について、16kHz~120kHz以上の帯域を8kHzごとに分割して抽出した超高周波成分を、28~44kHzまでの帯域を、それまでアナログフィルターを用いて8kHzごとに分割していたものを、ソフトウェアを用いて作成したディジタルフィルターを用いて4kHzごとに分割して抽出した超高周波成分を、16kHz以下の可聴音と同時にまたは個別に呈示し、被験者の脳波α2成分から基幹脳活性化指標を算出し比較した。前年までに、可聴音と28-32kHzの超高周波成分を同時に呈示した場合に、可聴音のみを呈示した場合よりも基幹脳活性化指標は低下する傾向を示したことを踏まえ、本年度は、20kHz~52kHzまでのより広い帯域を対象に、4kHzごとに分割して抽出した超高周波成分を可聴音とともに呈示して検討を行った。 具体的には、100kHz前後に及ぶ超高周波成分を豊富に含む自然性の高い楽器音から、20-24kHz、24-28kHz、28-32kHz、32-36kHz、36-40kHz、40-44kHz、44-48kHz、48-52kHzの帯域幅の超高周波成分を、ディジタルフィルターによって抽出し、16kHz以下の可聴音と同時にまたは個別に呈示し、被験者の脳波α2成分から基幹脳活性化指標を算出し比較した。
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