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2016 年度 実施状況報告書

聴覚機構に基づく感覚的協和感モデル

研究課題

研究課題/領域番号 16K00377
研究機関放送大学

研究代表者

大西 仁  放送大学, 教養学部, 教授 (40280549)

研究分担者 古野 公紀  帝京大学, 文学部, 助手 (60533578)
望月 要  帝京大学, 文学部, 教授 (80280543)
研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワード協和感 / 聴覚的協和感 / 聴覚機構 / オペラント条件づけ / げっ歯類
研究実績の概要

聴覚機構に基づく不協和度モデル
周波数応答モデルに関しては、山本・仁科・大西 (2013, 2015)のモデルの適用可能性の拡張のために、モデルを3種類の音色による24種類の音程における不協和度測定結果(山本・大西・仁科, 2016ab)に適用した。音色は単純な複合音、ピアノ音、オルガン音の3種類で、音程は、最も協和的な完全一度から最も不協和的な短二度までの12種類の音程で、根音の音高が2種類の24種類とした。その結果、少なくとも現在のパラメタでは当てはまりが悪く、修正が必要なことが明らかになった。モデルの自由度を考えると、パラメタの再設定だけでは十分な精度向上は難しいと思われる。モデルの実装において相互作用の処理で手を抜いた部分があり、その影響が顕著になったことが疑われる。
聴覚フィルタに基づくモデルに関しては、Leman et. al. (2001)のIPEM Toolboxで位相固定の指数を計算できることを確認した。このソフトウェアは自由パラメタが多く、これまでに不協和度を測定したデータを用いて、入出力の特性を検討して進める必要がある。

げっ歯類における共和感覚
被験体が容易に反復して自発できる任意の行動を設定し、その行動を自発した直後に特定の音を呈示し、動物がその音に対して選好を示せば、レバー押し反応の自発頻度は高くなる。2つのレバーを設け、それぞれのレバーに対応して異なる音を呈示すれば、2つのレバーの選択率から、それぞれの音に対する選好の程度を定量的に測定することが可能である。そこで、反応レバーを2基備えた実験箱の制作を始めた。同時に、音を提示するトリガーになる自発行動を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は10月に採択になり、交付申請手続き期限までの時間もなかったことから、半年間で実行できる研究計画に縮小し切れなかった。そのため、モデル構築、げっ歯類を対象とした実験装置の製作は、当初計画より若干遅れている。モデル構築において、周波数応答モデルの精度向上まではいけなかったこと、げっ歯類の共和感覚については実験装置の完成に至らなかったことである。一方、ヒトを対象とした不協和度測定は予定より多くのデータ採取ができたため、トータルではおおむね順調の範囲に収まっていると考えている。

今後の研究の推進方策

申請時の計画通り、モデル構築に関しては、測定データに当てはまるようにモデルの修正、拡張を行う。げっ歯類における協和感覚に関しては幾つかの音程に対する選好実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

本研究は10月に採択になり、交付申請手続き期限までの時間もなかったことから、半年間で実行できる研究計画に縮小し切れなかった。

次年度使用額の使用計画

H28年度、H29年度の2年間で当初の予定した使用予定額になるべく合うようにする。

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公開日: 2018-01-16  

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