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2017 年度 実施状況報告書

聴覚機構に基づく感覚的協和感モデル

研究課題

研究課題/領域番号 16K00377
研究機関放送大学

研究代表者

大西 仁  放送大学, 教養学部, 教授 (40280549)

研究分担者 古野 公紀  帝京大学, 文学部, 助手 (60533578)
望月 要  帝京大学, 文学部, 教授 (80280543)
研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワード協和感 / 感性 / 知覚 / 認知
研究実績の概要

これまで音高の異なる短二度音程,完全五度音程間で不協和感を測定し,測定値を説明・予測するモデルを構築してきた.このモデルは異なる音程間についても良く当てはまることが想定された.そこで,前年度に測定した,単純な複合音,ピアノ音色,オルガン音色による異なる音程の不協和度データにモデルを当てはめた.その結果,期待に反して当てはまりが悪いことが判明した.
このモデルは,単純な複合音の不協和感には良く当てはまるSethares (2005)のモデルの拡張のため,少なくとも単純な複合音に対しては当てはまると予想していたが,それらの複合音に対しても当てはまりが悪かった.原因として,短二度音程と完全五度音程データに過適合していたこと,3成分以上の複雑な相互作用の近似が不適切であったことが考えられる.
Sethares (2005)のモデルは,Kameoka and Kuriragawa (1969)のモデル等と同様,タ成分の複合音の協和度を2成分間の不協和度の和で近似している.この近似は,ある成分と強く干渉する成分が1つだけの疎な成分構成の複合音では高い精度で不協和度を推定できるが,楽音のように密な成分構成の複合音の不協和度は推定できない.そこで,提案したモデルでは,3成分以上の複雑な相互作用を,2成分間の干渉がピークとなる成分間の中心周波数からの距離に基づく重み付け近似している.しかし,このモデルは距離のみを考慮している点で近似として不十分と思われるので,検討を行う.
刺激のデータが増えたため,不協和度の計算時間が大幅に増加し,パラメタ推定を行うには,プログラムを並列化したり,効率的な最適化アルゴリズムを採用する等の工夫が必要である.そこで,並列化の方法(メニ―コア,GPU利用)と最適化法のアルゴリズムの検討を行った.次年度はこれらの検討を基にモデルの実装をやり直す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度内で前年度に測定したデータへ当てはまるモデルを完成する予定であったが,予測精度が低く,その改善が続いている.

今後の研究の推進方策

研究実績の概要の最後に書いたように,モデルを修正して予測精度を上げる.

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗が遅れ,当該年度中に予定した予算執行に至らなかったため.

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公開日: 2018-12-17  

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