研究課題
従来の加圧式カフを使用しない血圧の推定法をカフレス血圧推定法と呼ぶ。カフレス血圧推定法の中で、脈波波形の形状から、その特徴を抽出し、血圧や血圧と関係の深い因子を評価する手法について、本研究課題で取り組んできた。その中で、最終年度ではこれまで行ってきた研究内容を振り返り、研究を次のステップに向けた内容の総括を行った。実施した内容は次の通りである。(1)サンプリングレートによって脈波波形がどのように変化するかの評価、(2)光色の違いによる脈波波形と血圧との関係性を評価、(3)脈波波形データを主成分分析で評価、(4)脈波波形とCAVIの関係性の評価と推定手法これらの研究は今まであまり行われていなかった研究であり、脈波データの情報を小さなデータに変換する目的があったり、血圧と関連の強い動脈硬化を推定する目的があったりする。特にモバイルヘルスにおいては、データの容量を削減することにメリットが多く、脈波の波形をそのまま主成分分析を適用した試みは新しく実用性が高い。また血圧の推定には動脈の状態を知ることは有効であり、脈波伝播速度を用いずに脈波形状だけからCAVI値を推定する試みも実用性が高い。このように、本研究期間で得た内容は今後の研究へつながる内容である。しかしながら実用化までには、まだ多くの課題が残っており、血圧と脈波との関係性を明らかにすることが重要である。また本研究課題で積極的に取り組めなかった脈波とストレスの関係性の評価も含めて、これらの内容を解明していくことが次の研究内容となる。
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すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)