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2017 年度 実施状況報告書

オントロジーを用いた発達障碍者の災害支援ニーズの調査と支援システム構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K00400
研究機関奈良学園大学

研究代表者

服部 兼敏  奈良学園大学, 保健医療学部, 非常勤講師 (10346637)

研究分担者 相澤 雅文  京都教育大学, 教育学部, 教授 (10515092)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード機械学習 / 自閉症 / 情緒障害 / GIS / 地理情報システム / 国土地理院タイル
研究実績の概要

1)GISによる支援作業の表示  災害時にどれだけの支援作業量があるか、その分布が地域的にどう分布するかを明らかにするため、また得られた知見を実際の作業にあたる看護師、保健師、助産師に伝達するためにGIS、地理情報システムの学習教科書を執筆している。作業中に使用するGISソフトウェアが改訂されたため、改訂に合わせて教科書を改訂中である。
2)支援量の推定  地域がどの程度の支援量を必要とするかを機械学習モデルを用いて推測するモデルを作成した。機械学習の精度を確認するため、利用可能なBig Dataとして妊娠届け出数から、地域の妊婦数の推定モデルを作成し、機械学習自体の精度を確かめた。その後、住基人口データ、学校基本調査の特別支援学校・学級の自閉症および情緒障害在籍者と国立特別支援教育総合研究の統計情報から通級学級在籍の自閉症および情緒障害在籍者データを基に市区町村における自閉症および情緒障害児童数の推定モデルを策定した。
3)避難モデルの策定  国土地理院によるベクトルタイルを基に、津波被災想定地域の避難路の道路中心線を抽出し、実際に避難可能な距離、地域を可視化し、現場でも利用できるように教材を策定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1)医療データの収集  当初、患者調査の利用を想定していたが、公表されているデータは100データ単位で数字を丸めているため、機械学習にかけると最も重要な確率的な振る舞いを拾い出せず、推定精度が極端に落ちてしまうことが分かった。厚労省の患者調査よりも、毎年発表される文科省の学校基本調査データの方が精度を高めることがわかった。
2)得られた知見を現場の看護師、保健師、助産師に伝えること、つまり開発した手法の啓蒙が研究成果の活用では有効であるが、現在まで必ずしも予定したとおりに進んでいない。
3)発達障害当事者、家族からの意見聴取から対応策を抽出することが不可欠であるが、言語化に慣れていない方も多く、作業は十分には進んでいない。
4)看護職などの専門職への浸透を図らなければならないが、発達障害を担当する医療関係者への浸透を図る前に、まず方法自体を理解する医療関係者を増やすという作業が必要であるように思念される。
5)オントロジー策定については、オントロジープログラムの熟達に手間取っている。また当事者、患者の調査の遅れによってオントロジー構築が遅れている。

今後の研究の推進方策

1)被災推定地域の発達障害児の数についてはモデルの検証中であり、近々、結果を学術雑誌に投稿予定である。
2)GIS、地理情報システムについては現場で支援にあたる看護師、保健師、助産師の指導に用いる教科書を完成させ、配布したい。
3)機械学習による推測については同様に現場担当者用の教科書を執筆しており年度内に完成させたい。
4)オントロジーについては、当事者、家族を対象とした調査が遅れているため、本年はこの調査をもとに進めたい。

次年度使用額が生じた理由

当事者、家族を対象とした調査を予定していたが、準備に手間取り、調査が進んでいないため。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 機械学習手法を用いた住基人口と患者調査からの入院・外来患者数予測モデルの 構築2017

    • 著者名/発表者名
      服部兼敏 種市ひろみ
    • 学会等名
      第37回 日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] GIS による地域看護データの解析事例と看護学生向けGIS 教育カリキュラムの概要2017

    • 著者名/発表者名
      服部兼敏
    • 学会等名
      日本地域看護学会第20回学術集会
  • [学会発表] テキストマイニングの世界 -量的研究から質的研究の基本-2017

    • 著者名/発表者名
      服部兼敏
    • 学会等名
      杏林大学医学部看護学会主宰研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] Big-Dataと機械学習(Machine learning)の組み合わせに よる地域看護データの推測とGIS 表示2017

    • 著者名/発表者名
      服部兼敏、大野佳子、種恵理子
    • 学会等名
      日本地域看護学会第20回学術集会
  • [学会発表] 機械学習(Machine Learning)による看護診断2017

    • 著者名/発表者名
      服部兼敏、籠島政江、清水彬礼、片山泰佑、池内香織
    • 学会等名
      第23回 日本看護診断学会学術大会
  • [学会発表] 地理情報システム(GIS)を用いた地域診断: C県T市の高齢者介護予防事例より2017

    • 著者名/発表者名
      大野佳子、服部兼敏、石田ゆかり、種恵理子、金子仁子
    • 学会等名
      日本地域看護学会第20回学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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