ゲートウエイ反射を題材に、シグナル伝達系パスウエイの挙動に基づき細胞内反応と細胞群の挙動を同時に計算して、神経系・免疫系の相互作用を計算する手法を確立した。血管内皮細胞の炎症アンプと呼ばれるIL-6/STAT3経路とNFkB経路からなる細胞内反応系をモデル化し、Th17細胞がケモカインで誘引され、血管内皮細胞内側に移動し、サイトカインを産生し、脊髄内に移動する過程をモデル化した。F759マウスと呼ばれるIL-6レセプタの突然変異マウスと野生型マウスの違いをシミュレーションし、実験結果と定性的に一致した。感受性分析により、IL-6/STAT3経路に関わる反応の方が影響が大きいことが分かった。
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