研究課題/領域番号 |
16K00409
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
山口 裕 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (80507236)
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研究分担者 |
奈良 重俊 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (60231495)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 機能分化 / 分節化 / リザーバーコンピューティング / カオス |
研究実績の概要 |
時系列情報をリザーバーコンピューティングの手法により分節化するモデルを構築するために、本年度は1)時間的情報と空間的情報が重奏された入力からそれぞれの情報を識別するリザーバーコンピューティングモデル 2)大自由度多層ネットワークにおけるアトラクタを利用した情報伝播、の2つのモデルを研究し、下記の成果を得た。 ・リザーバーによる時空間パターンの分節化の数理モデルを構築し、その各素子が果たす役割を情報論的な観点から調べた。外部から、時間的情報と空間的情報を重奏して入力する。出力ではそれぞれを識別する学習を一般化線形モデルを使って行う。内部ニューロンは、入力を受け取る入力ニューロンと出力に直接結合する出力ニューロンとに分割する。内部ネットワーク構造と重みを進化アルゴリズムにより、最適化を行った。最適なネットワークの各素子が、時間情報と空間情報をどの程度表現しているかを相互情報量を計算して調べた結果、内部構造において、時間情報に特化した素子と空間情報に特化した素子が形成されることが明らかになった。 ・冗長性の高い大自由度のネットワークに於いて、カオスダイナミクスを利用して情報を伝搬する機構を研究するために、3モジュールモデルを構築した。モジュール内、モジュール間の結合は連想記憶モデル的なHebb則により決定し、複数のアトラクタをコードさせた。モジュール内、モジュール間の結合を様々に調整し、多層ネットワークにおける情報伝播を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度末の研究者間打ち合わせにおいて、最終年度に成果を論文で発表に向けて研究は概ね順調に推移してることを確認している。
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今後の研究の推進方策 |
リザーバーモデルについてはネットワーク構造解析を進め、機能分化や振動的情報の役割を明らかにする。伝搬モデルについてはモジュール内・モジュール間結合の役割の違いを明らかにするための数値実験と解析を行う。成果を年度内に論文投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費での出張の際に当該課題の共同研究者が集まる機会があったので、研究打ち合わせを実施するなどし、旅費の支出が予定よりも抑えられた。次年度は論文投稿のための研究打ち合わせ、投稿料などに利用する。
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