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2016 年度 実施状況報告書

複数評価軸に対する評価値自動付与手法を用いた口コミ情報推薦システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K00425
研究機関流通科学大学

研究代表者

上田 真由美  流通科学大学, 経済学部, 准教授 (30402407)

研究分担者 中島 伸介  京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90399535)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード口コミ情報推薦 / 口コミ分析 / レビュー分析 / 評価値自動付与 / 類似ユーザ判定
研究実績の概要

本研究課題では,ユーザの属性や嗜好を推定することで,価値観を共有可能なユーザを発見し,個々のユーザにとって真に有用な口コミ情報の推薦が可能な手法の実現を目的に研究開発を行っている.平成28年度は以下の内容に絞って研究開発を実施した.
(1)複数評価軸に対する評価値自動付与方式の開発では,特定アイテムに対する人手による評価表現辞書の構築および複数評価軸に対する評価値自動付与方式の研究開発を行った.具体的には株式会社アイスタイルより提供を受けたコスメアイテムに関する口コミ5000件を用いて,10種類の評価軸を定義し,評価表現辞書を構築した.被験者を用いた予備実験の結果,フレーズ単位での評価表現辞書では網羅率が低く,評価値の自動付与が困難であったため,キーワードの共起に基づく辞書とした.取り組み成果について国際会議1件,国内会議1件の発表を行い,国際論文誌1件に投稿した.
(2)口コミ情報分析に基づく類似ユーザ判定手法の開発では,特定アイテムに対する人手による評価表現辞書を用いた,類似ユーザ判定手法の検討を行った.具体的には,同一アイテムに対する評価値の付与傾向が類似しているユーザを「類似ユーザ」として扱うこととした.しかし,対象としたコスメアイテムは多岐にわたるため,過去に同一アイテムに対して評価を行ったユーザのみから類似ユーザを推定することは困難であったため,類似するアイテムを「同一アイテム群」として扱い,類似ユーザの推定を行う手法とした.取り組み成果について国内会議1件の発表を行った.
(3)観点別評価を用いた口コミ情報推薦システムの開発では,類似ユーザ判定のためのユーザプロファイル抽出手法およびこれを用いた類似ユーザ判定手法の検討を行い,上記(1)(2)の国内会議発表内で取り組み成果の報告を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題では,平成28年度の研究実施に関して,おおむね順調に進展している.
複数評価軸に対する評価値自動付与方式の開発に関しては,コスメアイテムのうち特定アイテム(化粧水)に関する評価表現辞書を構築している.また,複数被験者による予備実験において,評価値自動付与方式の妥当性も確認している.
口コミ情報分析に基づく類似ユーザ判定手法の開発に関しては,過去に同一アイテムに対して評価を行ったユーザのみから類似ユーザを推定することは困難であることを確認し,類似するアイテムを「同一アイテム群」として扱うことで,類似ユーザの判定が実現可能であると方向性を定めた.
観点別評価を用いた口コミ情報推薦システムの開発に関しては,上述した2項目の成果により,同一アイテム群に対する過去の評価傾向を用いて,類似ユーザ判定のためのユーザプロファイルを抽出することとした.
上記のことから,計画した3項目とも,おおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

複数評価軸に対する評価値自動付与方式の開発に関しては,平成29年度は推薦対象とするすべてのコスメアイテムに対する評価表現辞書の構築・改良を行う.さらに,評価実験を踏まえた評価値自動付与方式の改良を行う.
口コミ情報分析に基づく類似ユーザ判定手法の開発に関しては,平成29年度は類似アイテムから構成される「同一アイテム群」のクラスタリング手法の開発,同一アイテム群に対する過去の評価傾向を用いた類似ユーザ判定手法の開発を行う.
観点別評価を用いた口コミ情報推薦システムの開発に関しては,平成29年度はユーザインタフェースのデザインを含めた口コミ情報推薦システムの実装を行う.

次年度使用額が生じた理由

ノートパソコンが計画時より安価に入手できたため,物品費をおさえることができた.
また,旅費に関しては,ヨーロッパ開催の国際会議発表を検討していたが,アジア開催の国際会議へ投稿したため,旅費をおさえることができた.

次年度使用額の使用計画

次年度は国内および国際会議での発表論文が増える予定であるため,その旅費に充てる予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Mining Attribute-Specific Ratings from Reviews of Cosmetic Products2017

    • 著者名/発表者名
      Yuuki Matsunami, Mayumi Ueda, Shinsuke Nakajima, Takeru Hashikami, John O'Donovan, Byungkyu Kang
    • 雑誌名

      Transactions on Engineering Technologies, (International MultiConference of Engineers and Computer Scientists 2016)

      巻: - ページ: 101-114

    • DOI

      10.1007/978-981-10-3950-8_8

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] User Similarity Calculating Method for Cosmetic Review Recommender System2017

    • 著者名/発表者名
      Yuki Matsunami, Asami Okuda, Mayumi Ueda, Shinsuke Nakajima
    • 学会等名
      International MultiConference on Engineers and Computer Scientists 2017
    • 発表場所
      Hong Kong(China)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
    • 国際学会
  • [学会発表] コスメアイテムに対する評価項目別自動スコアリング方式の開発2017

    • 著者名/発表者名
      松波友稀,上田真由美,中島伸介
    • 学会等名
      第9回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2017)
    • 発表場所
      高山グリーンホテル(岐阜県・高山市)
    • 年月日
      2017-03-06 – 2017-03-08
  • [学会発表] コスメレビュー共有システムのための類似ユーザ判定手法2017

    • 著者名/発表者名
      奥田麻美,松波友稀,上田真由美,中島伸介
    • 学会等名
      第9回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2017)
    • 発表場所
      高山グリーンホテル(岐阜県・高山市)
    • 年月日
      2017-03-06 – 2017-03-08
  • [学会発表] A Cross-Cultural Analysis of Explanations for Product Reviews2016

    • 著者名/発表者名
      John O'Donovan, Shinsuke Nakajima, Tobias Hollerer, Mayumi Ueda, Yuuki Matsunami, Byungkyu Kang
    • 学会等名
      Joint Workshop on Interfaces and Human Decision Making for Recommender Systems(IntRS 2016) co-located with ACM Conference on Recommender Systems (RecSys 2016)
    • 発表場所
      Boston(USA)
    • 年月日
      2016-09-16
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2023-03-16  

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