研究課題/領域番号 |
16K00436
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小川 信之 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60270261)
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研究分担者 |
兼松 秀行 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10185952)
矢島 邦昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90259804)
中平 勝子 長岡技術科学大学, 学内共同利用施設等, 助手 (80339621)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | メタバース / マルチモーダル / 生体情報 / 学習者の心的状態 |
研究実績の概要 |
(1)生体情報計測手法の開発については,矢島・兼松・小川により生体情報測定手法およびそのデータ転送方式の研究を継続した.電気皮 膚反応(GSR)に加えて赤外線測定による皮膚温度計測を含めた方式を評価すべくシステムを改良して試行した.電気皮膚反応(GSR) においては,小型のウエラブルシステムを用いた計測制度の評価,データ転送の精度の評価,解析に必要なデータ管理システムの試作 とこれまでのデータとの比較検討を継続した.まばたきの計測を伴う学習者の赤外線測定による皮膚温度計測といった生体情報測 定を実施することでマルチモーダル・インターフェース適合性を確認するための基礎実験を継続した.(2)学習者の心的状態との比較 においては,兼松・小川・中平によりメタバース上および実世界で教師から難易度が異なる課題を提起して瞬きの計測や生体情報の測 定を行うことで,問題をよく理解している場合とそうでない場合の挙動や実世界と仮想世界(メタバース)における挙動などの検証を継続した.さらに,学習者の心的状態を質問紙法と生体情報を連結させる形での推定を検証した.課題解決型学習の実施に際して,まばたきや生 体情報測定により学習者の心的状態との関連についての検証実験をした.課題解決型学習を伴うアクティブラーニングを実施する際のポイント 制度に関するシステムや教材・PBL・AL実践に関するの研究を発展させた.ICT環境下での学習者とコンテンツ間の相互作用モデルに関しては,中平を中心に,学習者の内的情報,各種生体情報とコンテンツ内に含まれる要素(知識形態,呈示方式,学習方式等)の関係記述を整えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究実施計画に従って進展している.具体的には,平成29年度は,前年度に検証した生体情報計測手法をもとに,発展的に研究を行った.ままばたきややGSRなどのテータ,心拍などの複数のデータを同時に測定する必要があるために,専用のシステムの改良を行った.1対1通信とデータ解析を確立することを優先してシステム設計を行った.その後,バーチャル教室では複数同時存在の対応のため,クライアントへの計測システムを工夫して,データ収集サーバへと計測データの転送をほぼリアルタイムで行うように設計を行っている.遠隔地での 講義参加でも,同時に計測データを記録できる生体情報を用いたマルチリアルタイム集中力計測システムの開発に取り組んだ.国内高専における複数拠点において,集中度の計測の予備実験を行い,システムも問題点の検証を行った.前年度は対面型の授業を想定して瞬き挙動を検討したが,今年度は,未来志向のアクティブラーニング型授業を想定して検討を行った.課題解決型学習を伴うアクティブラーニングを実施する際のポイント制度に関するシステムや教材・PBL・AL実践に関するの研究を発展させた.研究では,複数の解答が存在する,あるいは決まった解答がない問題までをグループ学習により扱った.Bloomのtaxonomyにおける知識レベルから創造的なレベルに至る6段階のうち,いくつかのレベルの問題を,取り組む学生に対して与えて実験を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究実施計画に従って推進する.具体的には、平成30年度は,前年度までに検証された生体情報計測手法をもとに,複合システムを構築する.国内高専における複数拠点で,セカンドライフ上で実際に装置を装着し,集中度の計測を含む最終実験を行う.バーチャル教室では複数同時存在の対応のため,データ収集サーバへと計測データの転送をほぼリアルタイムで行う.遠隔地での 講義参加でも,同時に計測データを記録できる生体情報を用いたマルチリアルタイム集中力計測システムを用いて最終実験を行う.国内高専における複数拠点において,集中度の計測に関するシステムの調整と最終実験を行う.対面型の授業での瞬き挙動および,未来志向のアクティブラーニング型授業での実験を行う.課題解決型学習を伴うアクティブラーニングを実施する際のポイント 制度に関するシステムや教材・PBL・AL実践に関するの研究を,さらに発展させる.研究では,引き続き複数の解答が存在する,あるいは決まった解答がない問題までをグループ学習により扱う.引き続きBloomのtaxonomyにおける知識レベルから創造的なレベルに至る6段階のうちレベルの問題を取り組む学生に対して与えて実験を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 計画遂行にあたり成果が多く出ており研究成果を予定以上に発表することとなったため、人件費・謝金として計画していた内容を自前で実施し、その分の経費を翌年度分としたため。 (使用計画) 計画に従って予算を使用する。
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