大学図書館のラーニングコモンズ(以下,LC)をより発展させる図書館員の人材像について知見を得ることを目的に,北米の事例を調査した。その結果,評価の高い事例では,LCの運営担当者として,全学的教育改革に参画する情報リテラシー教育の専門家,最先端の技術を取り入れて教育・学習環境を継続的に最適化する建築専門家,アントレプレナーシップ支援など大学の重点政策に関する専門家等が配置され,単に新たな学習観に基づいた学習環境を実現するというだけでなく,LCの設置を契機として,図書館の活動を大学全体の教育戦略や改善活動と結びつけ位置付ける役割と能力が重視されていることが明らかとなった。
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