本課題の実施により、篆韻譜・小徐本の全数対応が第三者検証できる形で公開でき、それにより定量的に篆韻譜は大徐本成立以前の二徐の説文学の姿を残していると考えられることを示した。また、篆韻譜の字形を全て拾うことで、四庫全書本の小徐本の小篆字形が他のどの版本とも違うことについて一つの説明を提示することができた。また同時に、四庫全書本の内容が他本と違うことがすなわち書写の品質が低いからとは限らず、四庫学よりも広い範囲での書誌学研究の対象となりうる可能性を示した。 その他の成果としては、説文関係資料で参照されるものの影印出版が日本で流通していないもののデジタル画像を公開したことがある。
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