研究課題/領域番号 |
16K00478
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
安藤 一秋 香川大学, 工学部, 准教授 (60325321)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Web情報システム / NIE支援 / 小学生 / Webニュース / 検索支援 / 読解支援 |
研究実績の概要 |
本研究では,長期的な計画の下,Web上のニュース記事群から小学校高学年の児童および教師が自由に記事を探したり,選んだり,読んだり,調べたりできるNIE支援環境の構築を目的としている. H29年度は,以下の項目について研究を推進した. (1)H28年度に実施した簡易評価をもとに,ニュース記事群をデジタル地図上に配置し,児童・教師が場所や記事カテゴリ等で視覚的に記事を選択・閲覧できるシステムのインタフェースを改善した.また,ニュース記事に対して適切な位置情報を紐づける手法および地名データベースを改良した.研究成果を整理し,学術論文と国際会議に投稿し採択された.また,2件の学会発表を行った結果,情報処理学会全国大会での発表において,研究協力者が学生奨励賞を受賞した. (2)ニュース記事の読解・調べ学習に有益なコンテンツとして,画像コンテンツに注目し,新聞記事,Wikipedia,教科書内のキャプションから自動生成したクエリで検索した画像をランキングする手法を提案・実装・評価した.また,地域の名産品をWeb記事から抽出する手法を実装し,性能を簡易評価した.研究成果を整理し,4件の学会発表を行った. (3)言い換え知識の情報源に活用する子供コーパスを構築するため,Web上に存在する子供向けページをクローリングし,子供向けか否かを判定する手法を改良し,評価を行った.評価結果をもとに,さらなる改善点を確認した.研究成果を整理し,2件の学会発表を行った結果,情報処理学会全国大会での発表において,研究協力者が学生奨励賞を受賞した. (4)教師のNIE準備の負担を軽減するため,教師向けのニュース記事推薦手法の検討を新たに開始した.当初予定していた学習地図の作成支援より,NIEを実践する教師側の負担軽減に,まずは取り組むべきであると判断し,方針を切り変えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H28年度に簡易評価した地図を活用した柔軟な記事選択・閲覧システムについて,インタフェースとデータベースなどを改善し,より有用性の高いシステムとなった.また,学術論文と国際会議論文にも採択された.読解・調べ学習に有益な画像コンテンツを収集する手法についても実装および評価が実施できた.言い換え知識の情報源として活用する子供コーパスの構築は少し遅れているが,子供向けページの判定手法の改善点は確認できた.また,研究協力者が学生奨励賞を2件受賞した.一部方針を切り替えた部分もあるが,全体的に評価すると,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
本年度と同様,NIE支援システムの実現に向け,基盤技術の検討・実装とシステム開発を進める.特に以下の点を中心に研究を推進する. (1)地図を用いた記事選択・閲覧システムについては,速度面で問題が確認できた.現場での評価の前に,速度面の改良を進める. (2)画像コンテンツのランキング手法を改善するとともに,読解・調べ学習を補足する新しいコンテンツについて検討する. (3)Web上から子供向けページを自動収集する手法の改良と,子供向けコーパスの構築を進める.そして,言い換え知識の抽出手法の検討を進める. (4)教師の負担軽減を行うため,教師向けのニュース記事推薦手法の検討を継続する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 新たな取り組みにより,H30年度に研究協力者が増える見通しがあり,システム構築および性能評価に使用するパソコン,サーバー類の購入を次年度に回したため. (使用計画) システム構築および性能評価に使用するパソコン,サーバー類の購入等に割り当てる.また,国際会議での発表に充当する.
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