本研究では,仮想化環境の優れたメリットを活かしつつ,模型を用いた箱庭と連動させることで,物理的な側面の学習を強化するLAN/WAN(Wide Area Network)学習のためのプラットフォームを提案している. 平成28年度は,基本的なシステムの動作を検証するため,複数の学習者を想定しつつ,学習者一人分に限定したシステムの開発を行った.具体的な内容として,学習者一人が利用する分のデバイス模型・コントローラ・プライベートクラウドの設計・構築を行った.模型間の通信プロトコル,コントローラ・模型間のプロトコル,コントローラ・プライベートクラウド間のプロトコルの設計・開発を行い,学習者の利用する操作画面の開発を進めた. 平成29年度は,平成28年度の成果を踏まえて,教育システム情報学会において「物理模型と仮想環境をマッピングしたネットワーク教育プラットフォームの一提案 」というタイトルで報告を行い,物理的な装置に見立てたデバイス模型と仮想化された環境を連動させ,箱庭ネットワーク環境の改良を行った. 平成30年度は,数十名規模の複数名教育への対応を視野に入れて,スケーラビリティの改善を行うべく通信方式やプロトコルの改良を行った.近年のIoT(Internet of Things)デイバスの普及に伴う低価格化と多様化を背景に,IoTデバイスの選択性と汎用性が向上したため,スケーラビリティを考慮したハードウェアの再設計と構築も行っている. 今後,これらの成果を踏まえて,システム評価ならびに利用評価を行い,教育システム情報学会等において成果を報告する予定である.
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