研究課題/領域番号 |
16K00488
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
松澤 芳昭 青山学院大学, 社会情報学部, 助教 (40517017)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学習過程分析 / 知識構築 / 創発 |
研究実績の概要 |
「目標1.知識構築過程の4次元可視化ツールの開発」について,知識合成過程の3次元可視化,および知識構成キャンバス生成過程の追再生ツールのプロトタイプ開発を行った.現在,Knowledge Building国際研究グループで実際に動作するソフトウェアを見ながら,学習理論へ合致,実際の現場での応用を視野に入れて詳細な仕様の調整を進めている.2017年度に開催される学習科学の国際会議で進捗報告と今後の具体的な実験計画を議論する予定である.「目標2.知識構築過程の量的データ可視化ツールの開発」について,Knowledge Forumから得られるログを利用し,学習分析に有用な指標のリアルタイムチャート化を実現することが目標である.本年度は,使用するライブラリの検証とフレームワーク作成の基礎のために,基本的なPost(Knowledge Forumへの投稿)の情報とForum上のインタラクションに基づくソーシャルネットワークを提示するソフトウェアの開発を行った.関連する基礎研究として,これまでのプログラミング教育のデータを用い,学習情報を提示するダッシュボードに関する研究をまとめた.昨年度から引き続く成果として,Rotating Leadership指標に関する研究成果をまとめ,研究発表を行った.「目標3.教材開発と現場での実践および評価」について,目標1, 2の開発と同時並行で,カリキュラム,教材開発,および授業での実施を行っていく.本年度は,研究代表者の授業で,実際にKFを利用した知識構築に基づく授業の試みを行ったが,教育モデルの不備,ソフトウェアの現代の学生への適合性の問題もあり,良好な結果は得られなかった.明らかになった問題は改善し本年度の実施に備える.国際的に,カナダ,オランダ,シンガポールなどで,開発されたソフトウェア(プロトタイプ含む)の使用実験が進行中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,「A. 知識構築過程の4次元可視化ツールの開発」,「B. 知識構築過程の量的データ可視化ツールの開発」を中心に進め,当初の予定通りに順調にプロトタイプ開発をすすめることができた.国際研究チームへのデモンストレーションと実際の教育現場でのデータ収集を開始することもできた.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,下記の通り,当初の予定通り研究を進める予定である. 平成29年度は引き続き「A. 知識構築過程の4次元可視化ツールの開発」,「B. 知識構築過程の量的データ可視化ツールの開発」を進める.「C. 教材開発と現場での実践および評価」の比率を高くしながら,ソフトウェアの完成度向上,および可視化効果の分析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
出張旅費について,研究内容を変更することなく,計画より少額で支出することができたため
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次年度使用額の使用計画 |
研究設備の充実,または追加の発表・招聘旅費として使用する
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