研究課題/領域番号 |
16K00491
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研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
小林 学 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80308204)
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研究分担者 |
平澤 茂一 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30147946)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Eラーニング / プログラミング / 教育システム / 機械学習 / 潜在クラス解析 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き,実際に授業を行い提案システム(プログラミング編集履歴取得・可視化システム)による大規模実験を行った.具体的には学習者は「Moodleサーバ」に接続し,認証を受けてから「教育用WEBサーバ」のプログラミング画面に遷移する. ここで学習者がブラウザ画面にプログラムを作成するとWEBサーバにプログラムが保存され,さらにコンパイルとプログラム実行を「コンパイル+実行用サーバ」で行い,エラー情報や実行結果を学習者のブラウザ画面に表示する.学習者のプログラム編集履歴及びエラーのログ,実行結果等は全て学生,課題,コンパイル及び実行ごとにサーバ上の異なるフォルダに保存されている.前年度との差異は,前年度はC言語,C++言語のみで実験を行っていたが,当該年度はC,C++に追加してさらにJAVAについても実験を実施した. さらに前年度から潜在クラス解析(Latent Class Analysis)による学生及び教員,課題等に対する進捗及び正当数に対する数理モデルの扱いについて解析手法の研究を進めることができた. より具体的には学生,教員,課題等には具体的に一つしか潜在クラスが割り当てられないという制約の下で,実際のデータを用いて潜在クラスを推定する統計モデルの構築と,これを解くための具体的アルゴリズムの提案を行った.このとき,今までは1者あるいは2者間での関係しか表現できなかったモデルを拡張し,3者間以上で行えるように拡張まで行うことができた. 一方プログラミング教育において反転学習の導入とその効果的なクラス分け,並びに指導方法(コーチング)の検討などに関する研究も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模実験の継続的実施,並びに多言語への対応,さらには数理モデルの構築とその拡張,国際会議への発表状況などを鑑みるに,おおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究における学生や課題取り組み状況の解析手法は,ソフトクラスタリングと呼ばれる手法の枠組みで考えることができる.これを視覚的に表現する手法の開発を検討している. さらにプログラム間の類似度評価が現時点で十分でないため,これを実施する予定である. また今まで提案した手法を論文としてまとめる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度と同様に,当初予定していた実験用サーバ及びPCの購入を見送ったためである.これは当初想定していなかった,大学施設の有効活用を行うことになったことが理由である. また人件費についてもプログラミングを研究代表者が実施したため,支出が少なくなっている. 一方で研究成果の発信のために論文発表並びに国際会議出張旅費として有効活用を計画している. また研究代表者の所属が変更になったことにより,計算機実験を行うためのコンピュータ設備が新たに必要になるため,これの購入に使用予定である.
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