研究課題/領域番号 |
16K00494
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
宮本 淳 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40340301)
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研究分担者 |
久留 友紀子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00465543)
仙石 昌也 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40257689)
橋本 貴宏 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60291499)
山森 孝彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70387819)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レポート / 剽窃 / コピペ / インターネット上の参考文献 / プロセス分析 |
研究実績の概要 |
医学部初年次教育において剽窃行為を中心に学生のレポート作成過程の調査を続けている。レポートの作業過程を確認していくと,一見して質の低いと思われるWeb上の情報をコピペによって組み合わせ,体裁を整えただけのレポートが少なからず存在する現状が依然としてある。 平成28年度の研究では,初年次学生がどのような資料に依拠しているか調査するために,記載された参考文献について,図書館情報学用語の分類をもとにして,資料の種類と信頼性により一次資料から四次資料に分類した。殊に図書館情報学用語の三次資料にも該当しないと考えられる個人のブログやWebページなどについては四次資料と定義した。分類の結果,情報源として書籍よりもインターネット資料を数多く引用していること,信頼性が低い可能性がある四次資料からの情報をかなりの割合で利用していることが明らかになった。 平成29年度の研究では,四次資料に依拠する割合とコピペとの関連を調査したところ,四次資料の割合が多いとコピペ率も高い傾向にあることが明らかになった。 これらより,平成30年度の研究では,コピペ依存からの脱却のためには文献収集段階からの教育的介入が重要であると考え,レポート作成プロセスに文献リスト作成課題を加えることとした。介入効果としては,情報の取捨選択の機会を通して,最終的なレポートでは四次資料の割合が低くなったものの,先行研究と同様にネット資料,特に四次資料に依拠する傾向が強いことが明らかになった。また,初年次学生が依拠しやすいネット資料の質について教員評定から分類を試みた。その結果,初年次学生が依拠するネット資料の中心は「初年次学生がレポートを作成する情報として用いるのに適切ではない」と改めて評定された。その一方で,評定の一致率から近年の多様なネット資料を評価する基準の曖昧さが今後の課題として明らかになった。
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