研究課題
高LET重イオンの生物作用機構を明らかにし、重粒子線がん治療の高度化や宇宙放射線影響リスク評価への適用に発展させていくため、重イオンマイクロビームを用いた生物照射実験を行う。研究では、ラピッドプロトタイピングを用い、照射実験の要件ごとに最適化した形状の照射容器を開発することで、従来の手法では実現できなかった生物試料への重イオン照準照射を実現し、これを用いて、重イオンの生物照射効果の分子メカニズムを明らかにする。H30年度は、H29年度に確立したバイスタンダー効果の距離依存性を解析するためのテーラーメード容器を用いた細胞照射実験を行った。30mm×40mmの大判カバーガラス上にラピッドプロトタイピングを用いて製作した枠を貼り付けることで、幅2mm、長さ100mmの溝を迷路状に配置したテーラーメードマイクロビーム細胞照射容器にヒト子宮頸がん由来培養細胞HeLaを播種した。細胞が底面のカバーガラスに接着した後に、迷路状の溝の片端のエリアを、量研高崎研TIARAのコリメーション式重イオンマイクロビーム装置で形成した直径250μmの炭素イオンビームで2Gy照射した。照射後、細胞を継続培養を行い、バイスタンダー効果の誘導を照射位置からの距離との関係で解析を進めた。H28年度からの実施した本研究計画で、従来のマイクロビーム照射容器では実現が難しかった重イオン照射効果の解析を、テーラーメード照射容器を製作することで実現することが可能とした。研究計画終了後は、本研究で実現した照射技術を用いて重イオンの生物作用機構を明らかにしていく
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放射線
巻: 44 ページ: 151-156
巻: 44 ページ: 147-149
QST-M-16, QST Takasaki Annual Report 2017
巻: - ページ: 78