研究分担者 |
佐能 正剛 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 助教 (00552267)
清水 良 広島国際大学, 薬学部, 講師 (00570491)
杉原 数美 広島国際大学, 薬学部, 教授 (20271067)
藤本 成明 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (40243612)
渡部 容子 日本薬科大学, 薬学部, 助教 (60628056)
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研究実績の概要 |
生活に密着した生活用品に化学物質を加えることで、日常生活をさらに豊かにすることが出来る。本研究課題では、それらの化合物の安全性評価を行った。生活用品に含まれる化学物質を広く取り上げ、核内受容体を介したホルモンあるいは脂質代謝に対する影響について、代謝的活性変動を考慮に入れた検討を行ったところ、30年度に、次のような成果を挙げることが出来た。 紫外線吸収剤として、種々の生活用品に加えられているoctylmethoxycinnamateやベンズトリアゾール類が女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンなどのホルモン受容体やPXR、CAR、PPARsといった核内受容体を活性化することを見出した(Watanabe et al., 2018; 2019)。広くプラスチック製品に加えられているビスフェノールA類は多くの核内受容体に親和性を示した(Kojima et al., 2019)。他に、ピレスロイド系農薬あるいは保存料パラベン (Fujino et al., 2019)、ムスク系香粧品香料(Watanabe et al., 2019)の核内受容体活性を欧文誌に投稿中である。さらに、リン系難燃剤が薬物代謝酵素活性へ直接的な影響を及ぼすことを見出した(Tsugoshi et al., 2019)。また、ブロム化難燃剤の甲状腺ホルモン撹乱作用が新生仔での感受性を高める遺伝子を見出した論文を発表することが出来た(Fujimoto et al., 2018)。また、学会発表として、ラットにおけるこれらの化合物の核内受容体を介した薬物代謝酵素であるシトクロムP450活性への影響を明らかにすることが出来た。3年間の研究を行うことで、概ね課題研究の計画を達成することができた。
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