研究課題/領域番号 |
16K00564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
根岸 隆之 名城大学, 薬学部, 准教授 (80453489)
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研究分担者 |
小林 弥生 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (00391102)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 有機ヒ素化合物 / アストロサイト / グルタチオン / 細胞死 |
研究成果の概要 |
有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸(DPAA)が引き起こす神経症状の発症メカニズムの解明を目指し、脳のなかの神経細胞を栄養的・機能的に支持するアストロサイトと、アストロサイトが神経細胞や脳そのものを護るために産生するグルタチオンに注目しDPAAの影響を評価したところ、アストロサイトがDPAAを無毒化するために良かれと合成する抗酸化物質グルタチオンが逆にDPAAを活性化し、アストロサイトの異常活性化をひきおこすことが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
神経毒性学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジフェニルアルシン酸(DPAA)は他のヒ素化合物と異なり神経症状を特徴的に引き起こす。普通、化学物質による神経症状発症メカニズムの解明というとその物質の神経細胞に対する毒性の調査というイメージになるが、本研究ではこれまでの知見から脳の主役とみられることの多い神経細胞では無く、その守護者であるアストロサイトに注目し、DPAA→アストロサイトの異常活性化→神経細胞の機能異常→神経症状という仮説をたて、DPAAによるアストロサイトの異常活性化と脳を守る武器であるグルタチオンの皮肉な関係を明らかにすることで、化学物質が脳に与える影響の多様性と複雑さを提示することができた。
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