研究課題/領域番号 |
16K00586
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
奥田 哲士 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (60343290)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ウルトラファインバブル / スケール / 尿石 / 生成抑制 / 除去 / 付着強度 |
研究実績の概要 |
28年度は計画通り、UFBによる尿石付着抑制効果・剥離効果として、まず人工尿を用いてのUFB(ウルトラファインバブル=ナノバブル)による尿石付着抑制効果の確認、および尿石付着抑制効果のメカニズム解明を開始した。 前者においては調整した人工尿を循環する流れ場を水槽レベルで作成し、実際の配管で用いられるステンレスおよびPVCを素材とした板への尿石付着試験を行った。UFBは週に一度程度、人工尿に混合させ、室温で実験を行った。結果、これまで確立した方法により、尿石と思われる付着物を生成できた。ただ、UFBを用いた系でもUFBなしと同程度のスケールが蓄積してしまった。ただ、これは計画書に記載された予想通り進まない場合の想定内であり、予定していたように水質条件を変更するために硬水(市販の硬水)を用いた検討などを行った。 研究代表者の所属変更があったが、落射顕微鏡は異動先(現所属)に使えるものがあったので、それを用いた試験を行った(購入予定であった落射顕微鏡は、予算減額への対応のため購入せず)。観察の結果、生物の蓄積はほとんどな買った。ここでは2種の波長の超音波を用いた剥離によって、2段階の付着強度のスケール量を分画して確認する方法を確立した。 UFBのガスの変更を行い、メカニズム解析を行う予定であったが、上のようにUFBの効果がでる条件を探っている段階であるので、ガス変更についてはその添加方法を確立した段階でとどまっている。これに関連しては、ガス種の変更と同様の検討内容を、硬水を使うことで行えているので、進捗に遅延はない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想の範囲内であるが、UFBの尿石抑制効果が予測するほど高くない状況が発生し、水の条件を変化させたりUFBの導入頻度を変更するなどし、効果の出る条件を模索している。関連して、メカニズム解析についてはさらに、二年度以降も続けて行う事としており、大きな遅れはない。 尚、代表者の所属変更があったが、異動先においても予定していた器具はそろっており、現場での試験(実施者は協力者であり、研究代表ではない)の準備は予定通りおこなえる。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、UFBのガスを変更しての尿石剥離促進効果の解析を続けて進めるほか、尿石剥離促進効果の確認と、効果があった条件におけるメカニズム解明を行う。ここでは今年度の反省を生かし、2種の水質で同時に試験をする他、UFBの供給頻度を上げて試験を行う。 また、予定よりやや先行して実証実験としての付着抑制効果・洗浄効果の確認を29年度より開始する。計画から研究代表者の所属変更があったが、協力予定企業からは引き続き協力を受けられる状況で、協力者が主体的に行うパーキングエリアでの実証試験であるが、共同して実証試験を行える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度にUFBの効果が明確でなかったために、一部解析や学会発表などを次年度に行う事としたため。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に予定されていた消耗品の購入や学会発表を行う。
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