反芻家畜に摂取された植物中の放射性セシウム(以下Csと略)の大半が排泄物中に排出されることから、放牧ヤギの排泄場所を誘引することでCsの特定場所への集積を促進し、放牧地の簡易な除染技術に役立てることを目標とした。 雄と雌とで異なる階層を使い分け可能な30~35°のスロープ斜度を持つ階層型休息舎を放牧地に設置することで放牧ヤギの空間分布の制御(誘引)は可能であり、それによってCsの簡易な集積が可能であることが示された。またこれらCsの集積効率を高めるためには、誘引のための階層型休息舎を斜面下部に設置すること、ならびに去勢雄を含む雌雄混成群を活用することが必要であることが明らかとなった。
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