中国での塩類土壌及び酸性土壌に対して、セメント微粉末、コンクリート廃棄物、路盤材及び石炭バイオブリケット燃焼灰による土壌改良効果を検討した。 塩類土壌では、セメント微粉末、コンクリート廃棄物(粒径別)での化学性改良結果の論文報告後、路盤材での改良効果を検討した。路盤材では粒径0.6-4.75mmにて、小粒径(0.6mm以下)より施用量増加に伴いESPが低下したが、コンクリート廃棄物と比較して交換性Ca濃度が低いため他の改良材との混合の必要性が示された。更に塩類土壌改良における物理性の検討を行った。塩類リーチング効果をコンクリート廃棄物(1.0-2.0mm)3.0wt%施用にて検討したが、既報の脱硫石膏や石炭バイオブリケット燃焼灰と比較して塩類リーチングに時間を要した。粒径0.2-0.6mmでは、粒径2.0-4.75mmよりも水の初期浸潤過程における透水性は向上したが、土壌改良反応が進行するにつれ透水性が低下した。以上より、化学性のみならず物理性の改良のために他の改良剤などとの混合の必要性を提言した。 酸性土壌改良では、酸性化が進行した土壌(pH4.2)に対して、コンクリート廃棄物、路盤材、石炭バイオブリケット燃焼灰に半乾式脱硫石膏を混合して検討した。その結果、pH、交換性Alイオン濃度において大幅に改良され、塩基バランスにおいても単体での施用より良い結果を得た。更に、新規混合改良剤中の重金属量評価では、中国の土壌改良剤基準値と比較して低い値であり安全性も確認することが出来た。 最後に、酸性土壌地域での改良技術の導入の可能性を検討するため、四川省と雲南省を調査した。その結果、路盤材での利用の可能性はあったが、コンクリート廃棄物は現況では入手困難であった。また塩類土壌改良では石炭バイオブリケット燃焼灰での土壌中炭素量増加を確認出来たことから温暖化対策技術としての可能性も示された。
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