研究課題/領域番号 |
16K00640
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大橋 岳 中部大学, 人文学部, 講師 (40533592)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 野生動物保全 / チンパンジー / 道具使用 / 西アフリカ / リベリア / ギニア |
研究実績の概要 |
チンパンジーやゴリラなどの類人猿の研究がアフリカで長期にわたりおこなわれてきたが、他の野生動物同様に絶滅の危機にある。保護区に指定されているのは、ごく限られた地域のみで、多くの類人猿は保護区外で生息している。絶滅を回避するには、保護区外に生息する野生動物へも目を向けることが重要だ。本研究は西アフリカの里山的環境においてチンパンジーをはじめとする野生動物の生態を知り、地域住民の土地利用や伝統的価値観にも目をむけ、西アフリカの「里山」において持続的な保全を可能にするメカニズムを探ることを目的にしている。本年度は雨季と乾季の2度、フィールドワークをおこなった。カメラトラップによる野生動物の行動を記録し、ドローンによる生息環境の予備的に撮影した。地域住民との関係も良好に構築できており、ハンターが映り込む場面でも、カメラトラップの持ち去りなどなかった。カメラトラップではチンパンジーの道具使用行動を撮影することができた。研究の途中経過については、国際学会などで随時発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
雨季と乾季、それぞれ1度ずつアフリカでフィールドワークできた。カメラトラップのエラーや故障で、ある珍しい道具使用がおこなわれる場所での撮影ができなかったが、計画段階から、カメラトラップの一定割合での不具合は想定しており、設置方法やカメラの交換によって修正することができた。地域住民との関係、中央省庁との関係も良好に築けている。
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今後の研究の推進方策 |
西アフリカでのフィールドワークを継続し、野生動物の行動データ、および生息環境のデータを収集する。地域住民との関係を深めるとともに、リベリアおよびギニアの中央省庁と密に連絡をとり、保護区外に生息する野生動物の保全のあり方について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
カメラトラップに用いる乾電池が安価に入手できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
フィールドワークに使用する消耗品の費用にあてる。
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