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2018 年度 実施状況報告書

野菜ジュース粕を起点としたきのこおよび飼料のカスケード生産技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K00649
研究機関信州大学

研究代表者

神 勝紀  信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (40215166)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードきのこ / 野菜ジュース粕 / 廃培地 / 飼料価値
研究実績の概要

今年度はニンジンジュース粕廃培地の飼料価値を評価し,これと並行してニンジンジュース粕以外の材料(ブドウや青物野菜のジュース粕など)を用いたキノコ栽培試験を行った。結果は以下の通りである。
1)ニンジンジュース粕廃培地の飼料価値:対照区のきのこ培地の米ぬかあるいはコーンコブとニンジンジュース粕とを置換した培地は,対照区に匹敵するきのこ生産性を示した。そこで,これらの廃培地を原料としてサイレージ化を試みた結果,廃培地を事前に水蒸気で殺菌した後にスターター乳酸菌を添加すれば,サイレージ化が可能であることが判明した。完成したサイレージの栄養価は,ニンジンジュース粕の添加によって向上する傾向を示した。動物を用いた評価は現在進行中である。
2)ニンジンジュース粕以外のジュース粕等を用いたキノコ栽培試験:ブドウや青物野菜のジュース粕,ソバ殻などの農産廃棄物を含む培地を作成してきのこ栽培試験を行った。その結果,青物野菜ジュース粕培地が良好なきのこ生産性を示し,さらに収穫されたキノコの抗酸化活性が上がることが示された。この抗酸化活性向上はポリフェノール含量と並行的であったが,その原因となったポリフェノールの同定はまだ完了していない。ただし,LC-MSの測定結果から判断して,この種のきのこで一般的に見られる没食子酸,ゲンチジン酸,ホモゲンチジン酸,クロロゲン酸,プロトカテク酸は対象から除外されると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度のジュース粕入手の遅れが影響して,当初の計画よりも遅れていたが,昨年度と今年度の研究が順調に進んだため,ある程度取り戻した。一方,きのこの品質に関する成分分析のうち,ポリフェノールの同定が完了していない。これは従来報告されているきのこポリフェノール以外のポリフェノールが多く含まれていたためである。現在,分析条件や方法を変更して検討中である。

今後の研究の推進方策

動物を用いた廃培地サイレージの評価の完了,ならびにきのこに含まれる未同定のポリフェノールの同定を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究の遅れのために,現時点では動物を用いた廃培地サイレージの飼料価値評価,およびきのこに未同定のポリフェノールの同定が完了していない。次年度使用額はこれら実験の遂行のために使用される。

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公開日: 2019-12-27  

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