研究実績の概要 |
昨年度の研究により、Diels-Alder反応を利用することで分子レゴブロック高分子を合成することができたことから、本年度では、2,4,5-トリフェニルイミダゾールダイマー骨格を利用した分子レゴブロック高分子の合成を試みた。 ビスイミダゾール型分子レゴブロックは、1,10-デカンジオールと塩化メタンスルホニルを、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン存在下、無水THF 中で反応させることにより1,10-ジメタンスルホニルデカンを収率70%で合成し、これと4-(4,5-ジフェニル-1H-イミダゾール-2-イル)-フェノールを、炭酸カリウム、テトラ-n-ブチルアンモニウム ブロミド存在下、無水アセトニトリル中で反応させることにより、収率67%で合成した。 得られたビスイミダゾール型分子レゴブロック1を水酸化カリウム、フェリシアン化カリウム存在下、THF/エタノール混合溶媒中で反応させることにより青色固体を得た。 得られた固体のGPC測定より、Mn=8400、Mw/Mn=3.24であることが明らかになった。また1H NMRスペクトルでは、トリフェニルイミダゾール部位のプロトンに由来するピークがδ 6.42-8.38 ppmに観測された。また、デカメチレン鎖に由来するピークがδ 3.70-4.00 ppmとδ 0.70-2.00 ppmに観測された。以上のから、ビスイミダゾール型分子レゴブロックが直鎖上につながった分子レゴブロックポリマーであることが示唆された。また、シロキサン結合を有する分子レゴブロックについても合成法の検討を行った。
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