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2016 年度 実施状況報告書

パリCOP21の結果を踏まえた各国の温室効果ガス削減目標および政策の分析評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K00669
研究機関東北大学

研究代表者

明日香 壽川  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90291955)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード温暖化 / パリ協定 / 公平性 / 温室効果ガス数値目標
研究実績の概要

本研究では、2015年末のCOP21の結果を踏まえた主要国の温室効果ガス(GHG)排出削減数値目標およびそれを達成するために各国政府が策定した省エネ量とエネルギー・ミックス(電源構成)の分析・評価を行う。これまで各国のGHG排出削減数値目標の分析・評価に関してはドイツの複数の研究機関のコンソーシアムであるClimate Action Tracker(CAT)によるものがある。しかし、CATは各国目標を4段階に評価(格付け)したに過ぎない。すなわち、各国の数値目標正当化のロジックの評価、たとえば各国政府が公平性の原則・指標として何を重視しているか、それがIPCC評価報告書の議論・定義および2℃目標との整合性がどの程度あるか、などに関する詳細な検証や評価は実施されていない。したがって、28年度は、各国政府が気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局にそれぞれ提出したGHG排出削減数値目標の公平性や野心度に関する説明文の内容および主張が、最新の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による評価報告書などで議論されてきた公平性の原則・指標や2℃目標に基づいた場合、どの程度正当性があるかを明らかにした。その結果、国によっては、公平性について議論していない場合もあり、議論している場合でも曖昧な表現が多かった。また、IPCCなどで議論されている公平性の定義と相反する定義を用いている国もあった。これらによって、ある国の数値目標の公平性や野心度の他の国の数値目標の公平性や野心度に比較しての優劣がある程度客観的に明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

28年度は主に、気候変動枠組条約事務局に各国が提出した各国目標などの文献の内容調査が中心であり、その目標の国際比較などの研究成果も順調に得られている。

今後の研究の推進方策

29年度は、日本および主要国の、GHG排出削減数値目標を達成するために様々な省エネ量とエネルギー・ミックスについて分析する予定である。そのために、まず過去のエネルギー・ミックスの時系列分析および各国比較としては、関西大学の安田陽准教授の国際エネルギー機関(IEA)データを用いた分析を参考にして、現時点から2030年に向けた将来の省エネ量とエネルギー・ミックスの変化に関する時系列分析および国際比較分析を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 日中韓高炭素共同体をどう作らないか2017

    • 著者名/発表者名
      明日香壽川
    • 雑誌名

      Global Asia Review

      巻: 3 ページ: 9-10

  • [雑誌論文] COP21後の各国目標の上方修正に必要な研究―国際競争力喪失問題の再検証,IDNCsの相対評価,カーボン・クラブの制度設計―2016

    • 著者名/発表者名
      明日香壽川
    • 雑誌名

      環境経済・政策研究

      巻: Vol.9, No.1 ページ: 79-81

  • [雑誌論文] 原発と地球温暖化問題と錯総した関係2016

    • 著者名/発表者名
      明日香壽川
    • 雑誌名

      科学

      巻: Vol.86, No.7 ページ: 718-725

  • [雑誌論文] Assessment of China's Greenhouse Gas Emission Reduction Target for 2030: Possibility of Earlier Peaking2016

    • 著者名/発表者名
      Jusen ASUKA
    • 雑誌名

      The Journal of Contemporary China Studies

      巻: Vol.5, No.1 ページ: 57-68

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公開日: 2018-01-16  

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