• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

パリCOP21の結果を踏まえた各国の温室効果ガス削減目標および政策の分析評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K00669
研究機関東北大学

研究代表者

明日香 壽川  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90291955)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード温暖化 / パリ協定 / エネルギーミックス / 温室効果ガス数値目標
研究実績の概要

本研究では、2015年末のCOP21の結果を踏まえた主要国の温室効果ガス(GHG)排出削減数値目標およびそれを達成するために各国政府が策定した省エネ量とエネルギー・ミックス(電源構成)の分析・評価を行う。そのために、まず第1に各国政府提出の「自国目標の公平性・野心度の正当化」の記述内容をIPCC評価報告書での議論や定義との整合性という観点から検証・評価する。第2に、省エネ量とエネルギー・ミックスの変化量の解析から各国が省エネ、再生可能エネルギー、原子力などの中で何を重視しているかを明らかにする。第3に、各国が現在の目標および野心的目標を達成する際のコベネフィット(大気汚染による早期死亡の回避)を試算する。第4に、各国が実施・計画中の各種発電エネルギーへの補助金を分析する。本年度は、特に日本と中国における省エネ量およびエネルギー・ミックスに関して、政府案あるいはシンクタンクの試算を比較分析した。結果として、中国においては再生可能エネルギーの導入が急速に進んでおり、それが経済的および社会的に大きなインパクトを与えていることがわかった。一方、日本の場合は、エネルギー基本計画で石炭火力がベースロード電源として位置付けられているなど脱炭素からは程遠い政策が取られている。しかし、シンクタンクによる計算によっては、国内の再生可能エネルギー資源によって、2050年の日本のエネルギー需要を100%満たす具体的なシナリオを示すことができているものもある。また、それらは、中長期的には便益が費用を大きく上回ることも示している。したがって、現行のエネルギー基本計画などで規定されている2030年および2050年の日本のエネルギー・ミックスにおいて、省エネ量および再生可能エネルギーの割合を増加させることや温室効果ガス排出削減目標を引き上げることは十分に可能だと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

29年度は、特に日本と中国のエネルギーミックスについて研究を行い、一定の成果は得られた。

今後の研究の推進方策

今後は、日本と中国以外の国のエネルギーミックスの分析を加速させる。また、エネルギーシステムコストなどの指標を用いた経済評価も実施する。

次年度使用額が生じた理由

科研費を効率的にした結果残額が生じた。次年度の物品購入費に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 図書 (2件)

  • [図書] Globalization of Low-Carbon Technologies: The Impact of the Paris Agreement, (Ed. Anbumozhi V. and Kalirajan K.)2017

    • 著者名/発表者名
      Jusen ASUKA
    • 総ページ数
      621
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-981-10-4901-9
  • [図書] 脱「原発・温暖化」の経済学2017

    • 著者名/発表者名
      明日香壽川・朴勝俊
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      中央経済社
    • ISBN
      978-4-502-24131-4

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi