研究課題/領域番号 |
16K00670
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 正人 筑波大学, 芸術系, 教授 (60383460)
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研究分担者 |
黒田 乃生 筑波大学, 芸術系, 教授 (40375457)
佐伯 いく代 筑波大学, 芸術系, 准教授 (70706837)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 世界自然遺産 / 自然的価値と文化的価値 / ユネスコエコパーク / 国立公園 / 地域住民 / 利用者 |
研究実績の概要 |
国内の世界自然遺産地域4箇所(屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島)のうち、1993年に世界遺産に登録された屋久島、白神山地に重点を置いて、行政関係者、自然保護団体、自然ガイド、地域住民等への聞き取り調査を行った。知床、小笠原諸島については、行政関係者、自然ガイド等に予備的な聞き取り調査を実施した。また合わせて、世界自然遺産に登録されていない国立公園(上高地、日光、箱根)についても、世界自然遺産地域と比較するための調査を実施した。 屋久島については、2016年12月21~27日の7日間、屋久島の永田、一湊、宮之浦、安房の各集落において、行政関係者等4名、世界遺産地域科学委員3名、自然保護団体等5名、自然ガイド3名、合計15名から聞き取りを行った。屋久島における人と自然との関係性について時系列的に整理するとともに、世界遺産地域における利用調整・保全協力金、世界遺産及び周辺地域における岳参り・里めぐりツアー、シカ対策、世界遺産登録後の意識の変化等について課題整理を行った。 白神山地については、2017年3月20~29日の10日間、青森県津軽郡西目屋村、鰺ヶ沢町において行政関係者2名、自然保護団体1名、自然ガイド(マタギ)2名、地域住民130名に聞き取り調査を行った。主に世界遺産周辺地域において、世界遺産登録後の住民の関心の変化、自然的価値と文化的価値の双方に対する関心などについて課題を整理した。 知床については、2016年10月6~10日の5日間、北海道斜里町、羅臼町において、行政関係者、自然ガイドに予備的な聞き取り調査を行った。 小笠原諸島については、2016年8月23~28日の6日間、東京都小笠原村において。行政関係者、自然保護団体、自然ガイドに予備的な聞き取り調査を行った。 日光、箱根、上高地については、2016年9月~10月に、ビジターセンターを訪れる利用者に聞き取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内の世界自然遺産地域については、1993年に登録された屋久島、白神山地に重点を置いた聞き取り調査を行い、世界遺産登録以前の自然保護問題から世界遺産登録後の人と自然の関係の変化に至る時系列的な課題整理ができた。知床、小笠原諸島については予備的な調査を通じて、ステークホルダーの整理ができたことから、平成29年度において屋久島、白神山地と同様の調査が可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、知床、小笠原諸島において、平成28年度、屋久島、白神山地で行ったような調査を実施するとともに、平成30年に世界自然遺産登録を目指している、奄美・徳之島・沖縄北部・西表島においても、登録前の地域住民の意識調査を実施する予定である。国立公園、ユネスコエコパークとの比較に関しては、平成29年11月に筑波大学において、シンポジウムを開催し、それぞれの関係者との意見交換を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年3月末に実施した白神山地における住民意識調査が順調に進んだため、調査日程が1日短くなり旅費に余剰が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度、知床、小笠原諸島について再調査を行うとともに、奄美・徳之島・沖縄北部・西表島世界自然遺産候補地の調査を行うため、それに充当する。
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