研究課題/領域番号 |
16K00673
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
眞弓 浩三 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 教授 (40253182)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 環境経済 / エネルギー |
研究実績の概要 |
再生一次エネルギーPESの採掘(PVでは基盤製造・モジュール化・集光)・変換・輸送・配分・利用・廃棄にわたる全てのプロセスに適用できるように改変し、PVの総合評価に利用できるようにした。PVの性能分析には、3つのプロセスに分割する方法を採択した:1. 基盤製造・モジュール化・設置;2. 集光・変換・輸送;3.電力配分・最終利用。各プロセスにおける注目するファンド要素とフロー要素を選択し、さらにそれぞれのプロセスにおける廃物や排熱も詳細に列挙して記述した。各プロセスにおいては、技術的自立性がどの程度満たされるか(必要な鉱物資源などのフローを製造するための、間接的に必要な電力量も含めた純電力量の収支とともに必要な鉱物資源・水・土地の量的確保あるいは間接的に投入される電力量など)を分析できるようにした。また一群の指標を作成した。次に、資源制約・環境負荷的自立性(鉱物資源や水その他の投入フローの必要量ならびにどの程度電力以外のECを投入しなければならないか、あるいは酸化オキシダントなどの廃棄物質をどのように選択するか、さらに集光による電力変換時の排熱の処理量など)を考量し、同様に一群の指標を作成した。さらに、技術的自立性と資源制約・環境負荷的自立性の指標に照らしあわせて、社会経済的自立性(人口構造と産業構造・物質的生活水準にふさわしい電力供給を社会経済システムの各産業分野と家計に供給できるか)の一群の指標を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研申請書に記載している平成28年度の研究計画にほぼ近い形で研究が進捗している。また、バルセロナ自治大学の研究協力者との共同作業も順調に進んでいる。さらに、Applied Energyに研究成果の一部が2017年1月に出版された。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に実施した成果をさらに発展させ、次のような課題に挑戦する。 1.太陽光を直接利用するPVシステム(太陽電池基盤・充電コントローラ・蓄電池・負荷デバイスを一体化したもの)を大規模に導入する場合には、土地改変面積や労働力の確保というファンド要素の必要量をより詳しく計算する; 2. 大規模電力生産に必要な鉱物資源、鉄 金、銀(電極で使用)、銅、ニッケル、インジウムなどの量的な評価が実施する。特に、銀の資源制約がどの程度か組織的に考察する;3.PVの場合、基盤パネル化や製造段階(システム化やモジュール化)での光化学オキシダントなどの直接排出物質による大気汚染や酸性化の影響、水処理の諸問題も考慮し、すべてのプロセスを包含した性能評価を実施するる;4.必要な鉱物資源の製造時における間接的な電力消費も定量的に把握したい;5.産業別のエネルギーミックスを考慮することにより、PVによる電力生産の諸産業への影響や既存の電力設備・送電網との切り替え同期などを定量化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた青山学院大学への出張旅費が、青山学院大学から支払われた。また、バルセロナ自治大学への出張旅費も10万円少なく出費した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度のバルセロナ自治大学への長期出張旅費の一部に充当する。
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