研究実績の概要 |
本研究は東アジア地域の都市の発展や環境汚染・自然災害に伴う環境破壊の影響を最小限に留めるために、国際協調に基づく国際協力政策の進展の可能性について研究する。国際協力政策を進展させる要素は、1)国際協調に基づく国際協力(上位地域)の強化、2)下位地域協力による都市間連携の拡大、3)包括的越境大気汚染防止環境行動計画の策定と実施のための資金協力枠組の構築であると定義し、都市における汚染物質・環境負荷削減、生活者の健康維持と疾病蔓延防止、減災のための環境負荷低減を実現させ、暮らしやすい都市環境の回復へと導くことである。本研究は国際協力政策の進展に資する越境大気汚染の削減と地球温暖化防止を同時に達成させる、「包括的越境大気汚染防止環境行動計画」の構想を試案し、具体的なシナリオの作成と国際協力政策の進展を図ることを目的として実施した。
1)東アジア地域の都市の大気汚染データから現状及び将来予測の検証:東アジア地域から排出される汚染負荷量データを用いて、現状の分析、将来予測を行い、東アジア地域の重点汚染地区の中で,中国,タイを中心に特定を行った。
2)包括的越境汚染防止環境行動計画の策定と資金メカニズムの検討:各国・各都市における分析結果を総括し、環境協力によって環境影響予防と減災に導くための条件や要因を解明し、国際協調及び地方政府の協力の下に適切な環境管理を行うための行動計画、各国・各地域の汚染箇所と改善すべき優先箇所を特定するために情報を共有し,環境取組の促進と支援体制の構築を図り,各国の国内法・制度の改革・整備を促進させることが鍵となる.さらに汚染の原因の特定,削減すべき汚濁負荷量の決定,環境改善計画の策定についての検討を行った.
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