研究課題/領域番号 |
16K00687
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
西村 一彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (00351081)
|
研究分担者 |
金 志映 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (00760779)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | カスケード型CES生産関数 |
研究実績の概要 |
予定通り,多入力多段階CES(カスケード型CES)生産関数のパラメータ推定をDP(ダイナミックプログラミング)で行う手法の開発を行った。カスケード型CES生産関数のパラメータ推定の際に必要となる生産要素のコストシェアの時間変化に関するデータは,385産業部門×385生産要素にわたる,接続産業連関表を用いた。各部門のカスケード型CES生産関数の双対関数である単位費用関数は,二時点の実測価格に対して,二時点の実測コストシェアを完全に再現するようにパラメータが推定される。その際,単位費用と実測価格のギャップとしてヒックス中立生産性が計測できるが,その結果は,トランスログ生産関数に整合的であるトルンクビスト指数と各部門についてほぼ一致することがわかった。代表消費者の間接効用関数については,多入力CES型を採用し,接続産業連関表にある家計消費部門の支出シェアデータを用い,パネルデータ分析(固定効果推定)によりパラメータ(代替弾力性)の推定を行った。家計部門の投資行動については,外部資料より得た時間選好率と資本サービス価格を用い,動学的最適化問題の一階条件(オイラー方程式)にしたがって,内生化を行った。上記の代表的家計の間接効用関数と産業部門別カスケード型CES生産関数の双対関数(単位費用関数)を統合し,二時点のシェア構造を完全に再現する一般均衡モデルの構築を行った。このモデルを用いて,限界的生産性増に対する社会厚生の比較評価を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
個別生産性ショックと集計的マクロ動学の研究に貢献できる目処がついたため
|
今後の研究の推進方策 |
論文の執筆を通じて研究成果を発信する。 マクロ動学の研究(モンテカルロシミュレーション等)を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた論文の掲載が叶わなかったためオープンアクセス費用の支出ができなかった。 今年度予定している論文掲載に加え,前年度からの持ち越し分の掲載(支出)を予定している。
|