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2018 年度 実績報告書

低炭素社会に向けた物流・ロジスティクスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K00693
研究機関中村学園大学

研究代表者

近江 貴治  中村学園大学, 流通科学部, 准教授 (50613832)

研究分担者 吉田 文和  愛知学院大学, 経済学部, 教授 (70113644)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード貨物輸送 / サプライチェーン / CO2排出削減 / 低炭素社会 / ロジスティクス
研究実績の概要

本研究は、低炭素社会における物流・ロジスティクスの環境経済学・政策論の理論構築と政策提言を目的に実施した。
物流・ロジスティクスはサプライチェーン全体に関わり、産業横断的にGHGの排出・削減との結びつきを整理する必要がある。Mckinnon(2018)は、「茅恒等式」をベースに物流・ロジスティクスのGHG排出量を捉える5つの視点を提示した。これらに実際の活動をあてはめると、多くが荷主企業の意思決定に依存し、輸送技術の発展・制約に係るものが続き、物流事業者が選択可能な取組みは多くならなかった。
荷主の物流・ロジスティクスのGHG排出責任については、日本が省エネ法でエネルギー効率の改善を求めているのみで、他国で制度化されたものはなかった。ただし、蘭本部のNPOが、ロジスティクスのGHG排出量算定・報告の基準として「GLEC Framework」を公表しており、GHG ProtocolやCDP等と連携して国際標準化を目指していることが分かった。
他方、技術開発については、これまで陸上貨物輸送の主エネルギー源である軽油に代替するものがほぼなかったが、本研究開始と同時期に大型トラックの電動化の見通しが立ってきた。とくに、高速道路に架線を敷設しパンタグラフから給電するものは、再生可能電力の普及と併せて長距離トラックの軽油消費の大部分を代替可能なことが分析できた。
以上より、意思決定している荷主に物流・ロジスティクスの排出削減を誘引づけ、国際標準によって算定法や削減効果を明確に把握させられる制度的枠組みの調和が求められる。さらに、トラックの電動化と再エネ利用に関しては、インフラ整備へのサポートおよびその利用への動機づけを政策的に進める必要性が導出された。
今後は、国際標準のあり方と国内制度での対応、および具体的な排出削減への戦略と政策に係る研究・提言が必要となってくる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 貨物輸送における大幅なCO2排出削減対策の見通しと政策・業界の動向2019

    • 著者名/発表者名
      近江貴治
    • 学会等名
      日本環境学会第45回研究発表会
  • [学会発表] 気温上昇1.5℃未満カーボンバジェットを考慮した日本のCO2排出削減経路2019

    • 著者名/発表者名
      歌川学、上園昌武、氏川恵次、近江貴治、塩飽敏史、外岡豊
    • 学会等名
      日本環境学会第45回研究発表会
  • [学会発表] パリ協定後の物流における温暖化対策の動向と評価2018

    • 著者名/発表者名
      近江貴治
    • 学会等名
      日本物流学会第35回全国大会
  • [学会発表] 低炭素発展戦略とカーボンバジェット2018

    • 著者名/発表者名
      上園昌武・近江貴治・山岸尚之
    • 学会等名
      日本環境学会 第44回研究発表会
  • [図書] 「エネルギー計画2050」構想2019

    • 著者名/発表者名
      壽福 眞美・法政大学サステイナビリティ研究センター編、槌屋 治紀・明日香 壽川・吉田 文和・飯田 哲也・荻本 和彦・藤野 純一著
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      978-4588625404

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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