研究課題/領域番号 |
16K00695
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
清水 真 中部大学, 経営情報学部, 教授 (20505341)
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研究分担者 |
柯 麗華 静岡産業大学, 情報学部, 准教授(移行) (60582377)
海老原 毅 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80342484)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 廃棄物の回収 / 環境保全対策 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中国の小売企業が取り組む環境保全活動に対して、中国政府、グリーンコンシューマ、外資系小売企業、そしてメーカー及び卸売企業がどの程度影響しているのか、つまり中国の小売企業に作用するインパクト要因を明らかにすることである。 そこで平成28年度は、調査対象地域に設定している大連市、瀋陽市、上海市の各環境保護局、環境衛生管理所、そして各都市の小売企業を訪問しインタビュー調査を実施した。また大連市、瀋陽市においては、アンケート用紙の配布が終わっており、29年の夏に回収に訪問することとなっている。上海市に関しては計画通り、今年度、配布予定である。 28年度の調査からは、中国においても廃棄物の循環が形成されており、家庭、小売業者から排出される廃棄物が回収業者によって買い取られていることが明らかになった。このため、中国における廃棄物の循環は、環境保全への意識よりもビジネスとしての要因で形成されている可能性が高い。これが日本の循環型メカニズムと大きく異なっている点である。そこで、現在は中国における小売企業や家庭から排出される廃棄物の回収ルートとメカニズムを明らかにするための調査も実施している。中国では小売企業や家庭から排出されるプラスチック、紙、缶、瓶などの資源廃棄物が回収業者によって高価格で取引されている。 中国政府は小売企業に対して廃棄物の分別などを強制しておらず、小売企業へのインパクト要因としては低い。また小売企業へのインタビュー調査からは、外資系小売企業、メーカー、卸売企業からのインパクト要因も低いことが明らかとなった。よって、小売企業へ作用するインパクト要因としては、消費者行動もしくは廃棄物の回収がビジネスとして成立している点が考えられ、これについては、29年度、30年度で明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度に実施予定であったアンケート用紙の配布を、大連市の東北財経大学、瀋陽市の東北大学、特に富山県大連事務所、北陸銀行大連駐在員事務所のご協力により、早めることができた。上海市に関しては計画通り、29年度にアンケート用紙を配布予定である。日本と中国との廃棄物の循環システムが大きく異なっており、それが研究目的に大きく影響していたため、中国での調査先が急きょ増えることになったが、これに関しても富山県大連事務所、北陸銀行大連駐在員事務所のご協力により円滑に調査が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は環境保護局からの紹介である都市建設管理局へのインタビュー調査を瀋陽市、大連市、上海市で実施する予定である。また、GQY、上海外国語大学、上海財経大学の協力のもと、アンケート調査を実施し、消費者の環境意識等を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の柯氏が瀋陽市への調査実施日と他の業務とが重なり、調査への同行ができなかった。アンケート調査の実施と分析・集計は平成29年度と30年度に行うため、それに必要な物品等を29年度に購入することにした。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画として、研究分担者である柯氏の瀋陽市への調査旅費、そしてアンケート調査の分析・集計に必要な物品等を購入する。
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