研究課題/領域番号 |
16K00707
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 知弘 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80379114)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デザイン設計支援 / 拡張現実感 / 景観 / 緑視率 / シミュレーション / アルゴリズム / Structure from Motion |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現状の環境認識を数値化した上で建築や都市を対象とした設計検討が可能な、拡張現実感システム(AR: Augmented Reality)を構築するものである。平成28年度に取り組んだ主な内容は、下記の通りである。 ・位置合わせ手法の検討:SfM(Structure from Motion)やSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を用いたマーカレスARシステムを検討した。SfMを用いた方法は以前より開発していたが、より幅広いユーザが設計過程での試行錯誤やリアリティのあるAR表現を実現できるよう、以下の2項目を実施した。1)AR開発のプラットフォームを従来のVisual C++から、ゲームエンジン(Unity)上で開発できるようにシステム構築を実施した。2)SfMで写真から点群を生成するソフトウェアを従来はopenMVG上で行っていたが、Photoscan上で行えるようにした。そのため、Photoscanから出力されるカメラパラメータのデータ構造解析を行った。また、SLAMを用いた方法は、Arbitrary Trackingという簡易法により行った。SfMを用いた方法は事前準備のウェイトが高いが、SLAMを用いた方法は事前準備のウェイトが低くなり、汎用性がより高まることを確認した。 ・緑視率のリアルタイム計測アルゴリズム、実写映像と3Dモデルとの光学的整合性アルゴリズムを検討し、別途開発したARやDR(Diminished Reality)に組み込んだ。 ・日本建築学会 第39回情報・システム・利用・シンポジウムで2編の論文発表を行った(報告部門)。また、CAADRIA2017、eCAADe2017国際会議へ投稿した論文が受理された。2017年度に発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
緑視率の現状認識を含むARシステムの構築を行い、研究成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
緑視率認識システム精度向上のため、画像中に存在する緑の領域の抽出法を再検討する必要がある。また、光学的整合性システムの精度向上、特に現状に対応した空のテクスチャデータ抽出のために、機械学習による手法を検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった機材は様々な特徴を有するものが順次リリースされている状況であり、検討した結果、次年度の選定・調達が妥当であると判断した。また、予定していた国際会議が平成28年3月に前倒しで開催されたため旅費の使用減となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額増分について、研究テーマに関する機材調達ならびに研究成果発表用旅費に充てる計画である。
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