本研究の目的は、現状の環境認識を数値化した上で建築や都市を対象とした設計検討が可能な、拡張現実感システム(AR: Augmented Reality)を構築するものである。平成30年度に取り組んだ主な内容は下記の通りである。 ・緑視率の推定方法の検討:緑視率の短時間・高精度での推定方法の確立に向けて、深層学習による推定システムを実装した。セマンティック・セグメンテーションによる緑視率推定法の精度を確認した上で、ARやDRに統合した。 ・天空率の推定方法の検討:360°カメラで撮影した画像から天空率を高精度で推定する方法について、深層学習による推定システムを実装した。 ・ドローンでの撮映像のAR描画の検討:より自由自在な視点からのARを実現すべく、ドローンで空中撮影された映像をAR描画する方法を検討した。 ・テレプレゼンスシステムの検討:ARの概念を拡張し、人や模型などをリアルタイムに取得した点群を遠隔地に送信することで、遠隔地のユーザーがリアルタイムの3次元情報を共有可能なシステムを考案した。 ・CAADRIA2018国際会議(Computer-Aided Architectural Design Research in Asia)、eCAADe2018国際会議(Education and research in Computer Aided Architectural Design in Europe)、日本建築学会 第41回情報・システム・利用・技術シンポジウムで論文発表を行った。また、CAADRIA2019、eCAADe2018へ投稿した論文が受理された。これらについて、2019年度に発表を行う予定である。
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