研究課題/領域番号 |
16K00716
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
松岡 拓公雄 亜細亜大学, 都市創造学部, 教授 (40315924)
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研究分担者 |
永井 拓生 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (60434297)
白井 宏昌 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (40772033)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 環境デザイン / 観光活性化 / ツーリズム / 構造デザイン / 自然素材 / ヨシ / 仮設パビリオン / 観光資源 |
研究実績の概要 |
国内の多くの中山間地域において、かつては人々の生活や地域産業を支えてきた植物資源が、現在は地域の生活に悪影響を及ぼす状況が生じている。伐期を迎えながらも放置された人工樹林、拡大する放置竹林、湿地帯や湖岸では葦の繁茂が水質の悪化を招くなどの問題があげられる。 一方、これらは生活のための資源であると同時に、地域の景観を構成する重要な要素でもあり、これらの材料の有効活用は地域景観の改善や観光の再生にとっても重要である。本研究は、このような管理不全の状態にある植物資源、葦(ヨシ)・竹材・間伐材等を用いた仮設建築の設計および施工方法を開発し、中山間地域における観光活性化への利用法を提案することを目的とする。 以上の目的を達成するため、平成28年度は主に葦や竹等の使用材料の植生や物性調査と仮設建築の基本デザインの作成・プレゼンテーションを行うことを当初の計画とした。特に、ヨシに着目し、材料の特性を把握するとともに、実大の仮設パビリオンの建設を行った。また、ヨシ同士の簡易な接合法,および本計画の主構造の基本要素であるセミランダムトラスとそのモデル化手法を開発し、実際の施工を通じそれらの有効性を確認するとともに、建設作業に要した材料・数量および人工等を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画においては、H28年度は管理不全状態にあると考えられる素材の発見、特性把握を行う予定であったが、H29年度に予定していた仮設の展示パビリオン建設を実施するまでの成果を得たため。 また、H29年度以降は、さらに様々な素材の可能性や、前年度の成果・反省を踏まえた新たな空間設計へ発展させることが可能と考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度の成果・反省を踏まえ、実大の仮設パビリオン設計、建設を行う。対象とする素材としても、ヨシのみならず、これまでの研究成果をもとに竹や間伐材といった素材と複合させた新たな空間デザインの提示を目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験器具や材料等の格安および無償での提供を受けたため。また、実大モデル建設にあたって、無償ボランティアによる多大な協力を得たため。
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次年度使用額の使用計画 |
使用材料の種類を複数に拡大すること、ならびに実大仮設モデルの規模の拡大、発展に使用する。
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