研究課題
■最終年度に実施した研究成果本研究においては、近江八幡市の景観や文化を象徴する素材としてヨシに着目し、空間デザインの材料として用いる方法を追求してきた。最終年度は、ヨシに加え、同地域の特徴的な景観を構成する観光資源である古民家町屋の内部に、ヨシを利用したインスタレーションおよびアート作品を作り上げることを試みた。1つめは、ヨシをトラス状に組み上げ、町屋内部の吹抜け上に設置した「ヨシ天井」である。吊天井においては、接合部の劣化や大地震により落下した場合に大きな被害を生じる可能性があり、軽量かつ落下しないこと、さらに言えば、万が一落下してに人に接触したとしても大きな被害を生じさせない事、が重要である。素材としてヨシを利用し、天井自体が自立した構造体となり屋根から吊り下げる必要がなく、かつ、古民家町屋の内部空間に溶け込むようなデザイン性に優れた軽量な天井を開発し、制作を行った。2つめは、町屋の奥庭に小さな真球ドーム状の空間「ヨシコクーン」である。内法直径2.5mの球体状の空間で、球の下部45cmが地面に埋まった形である。雨天時に内部に雨が入らないように、伝統的なヨシ葺きの工法を参考に、球体表面上に如何にして一定の水勾配をとりながらヨシを積層させている。真球の形状は、内法直径と等しい大きさのバルーンを仮枠としてその表面にCFRPロッドを編み込んだガイドを作成し、その上からヨシを葺き込むことで作られている。■研究期間全体を通じて実施した研究の成果同地域の特徴的な素材であるヨシを軸とし、3か年に亘り、毎年特徴的なテーマを持たせた空間デザインの考案と制作を行い、実際に多くの観光客に作品を体験してもらうことができた。また、並行してヨシの素材としての機械的・物理的性質についてのデータを多く蓄積することができた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (2件)
コロキウム構造形態の解析と創生2018
巻: - ページ: 130-133
Proceedings of the 12th Asian Pacific Conference on Shell & Spatial Structures, APCS2018, "Recent Innovations in Analysis, Design and Construction of Shell & Spatial Structures"
巻: - ページ: 310-320
日本建築学会大会(東北)デザイン発表会梗概集
巻: - ページ: 370-371
Biwakoビエンナーレ = Biwako biennale : 図録
巻: - ページ: 20-20
http://dda-usp.com/news/1119
https://www.youtube.com/watch?v=lrdyXhwa1IA&feature=youtu.be