1.研究の意義・目的 超高齢化社会を迎えた日本において,在宅での要介護者は増加傾向にあり,その原因の多くは,脳卒中と認知症である.したがって,認知症を合併した脳卒中患者に対する有効な入院リハビリテーションの方法や,患者本人や家族の負担軽減につながる有効な退院支援方法の構築は喫緊の課題である.そこで本研究は,脳卒中のため入院した高齢者のうち認知症を合併しているものを対象に,その精神行動症状も含めた認知症症状を明らかにし,日常生活活動(ADL)能力,在宅復帰率および入院期間に与える影響を検討する.また,退院時の認知症症状に対して行う退院支援を調査し,退院後の6か月における支援の効果や継続性,および新たに必要となった支援を調査する.この研究により,認知症症状の特徴を捉えた入院中の有効なリハビリテーションの介入方法や,退院支援および退院後の生活支援方法を検討するための知見を得ることができる.令和2年度は研究全体の中で,学会発表および論文作成も実施した. 2.令和2度の具体的な実施内容 研究成果としては,入院中の認知症を合併する脳卒中患者の認知症症状に関する報告として,国際論文掲載1件,退院後の認知症を合併する脳卒中患者の生活支援に関する報告として,国内学会の発表2件を行なった.
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