研究課題/領域番号 |
16K00756
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊波 富久美 (有澤) 宮崎大学, 教育学研究科(大学院), 教授 (90193630)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小中連携 / 家庭科教員 / ワークシート / 指導記録用紙 / ポートフォリオ / 家庭科 |
研究実績の概要 |
本研究では、家庭科教育における5年間を見通した小・中学校での継続的な指導を可能にするとともに、同じ中学校に進学する複数の小学校との連携や共同研究にも活用可能なワークシートや授業記録シートの開発、並びに中学校の家庭科教員が核となってそれらを 活用することの有効性の検証を目的としている。そのため、平成29年度は、以下の研究を行った。 【小中連携校における家庭科授業担当者への調査結果の他府県との比較】:平成28年度に実施した宮崎県および福岡市、佐賀県に加え、鹿児島県についても家庭科授業担当者への小中連携・一貫教育に関するアンケート調査を実施し、それらを比較分析することによって小中連携を推進していく上での課題を明らかにし、児童・生徒用の「ポートフォリオ型ワークシート」および教員用の「指導記録用紙」の内容構成について再検討した。 【ポートフォリオ型ワークシートおよび指導記録用紙の改善と活用】:アンケート調査の分析によって明らかになった課題および小・中・高校の教諭への「ポートフォリオ型ワークシート」および「指導記録用紙」についての聞き取り調査の結果をふまえ、それらの改善を進めた。さらに小・中・高校の教員間で指導記録用紙を活用した情報共有を進めるとともに、中学校および高校において、ポートフォリオ型ワークシートを活用した授業を実施した。 【研究成果の発表・報告】:宮崎県および鹿児島県における家庭科授業担当者への小中連携・一貫教育に関するアンケート調査結果については日本家庭科教育学会九州地区会で発表し、学部の紀要に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由) 【小中連携校における家庭科授業担当者への調査結果の他府県との比較】:平成28年度に実施した宮崎県および福岡市、佐賀県に加え、鹿児島県についても家庭科授業担当者への小中連携・一貫教育に関するアンケート調査を実施し、それらを比較分析することによって小中連携を推進していく上での課題を明らかにし、児童・生徒用の「ポートフォリオ型ワークシート」および教員用の「指導記録用紙」の内容構成について再検討できた。 【ポートフォリオ型ワークシートおよび指導記録用紙の改善と活用】:アンケート調査の分析によって明らかになった課題および小・中・高校の教諭への「ポートフォリオ型ワークシート」および「指導記録用紙」についての聞き取り調査の結果をふまえ、それらの改善を進めた。さらに小・中・高校の教員間で指導記録用紙を活用した情報共有を進めるとともに、中学校および高校において、ポートフォリオ型ワークシートを活用した授業を構想・実施することができた。 【研究成果の発表・報告】:宮崎県および鹿児島県における家庭科授業担当者への小中連携・一貫教育に関するアンケート調査結果については日本家庭科教育学会九州地区会で発表し、学部の紀要に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策) 【ポートフォリオ型ワークシートおよび指導記録用紙の活用】:ポートフォリオ型ワークシートおよび指導記録用紙の有効性について検証し、それらの開発を進める。指導記録用紙については、宮崎県を中心に他県においても小・中・高校の家庭科授業担当者に記入してもらい、異校種間での情報共有を試行するとともに、その際の課題について聞き取り調査を実施する。ポートフォリオ型ワークシートについては、中・高校においてそれらを活用して実施した授業について、生徒の記入状況の分析を行なうことで、課題を明らかにする。また、ポートフォリオ型ワークシートと指導記録用紙の記述内容を付き合わせて検討することで、小中および中高連携を行う上での課題について明らかにする。 【他県の家庭科教育関係者との共同研究の推進】:福岡市や佐賀県、鹿児島県等の家庭科教育関係者とも広くポートフォリオ型ワークシ ートおよび指導記録用紙に関する情報を共有し、小中高の連携教育の課題について共同研究を進める。 【研究成果の発表・報告】:以上の研究成果については、日本家庭科教育学会等において発表するとともに、研究論文にまとめ大 学の研究紀要等に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成30年度も前年度に引き続き、ポートフォリオ型ワークシートを活用した授業実践および授業分析を行うとともに、指導記録用紙の有効性についての検討し、他県との共同研究も進めるため。さらに それらの研究結果について、日本家庭科教育学会での発表や大学の紀要への投稿を行う。 (使用計画) ①授業づくり及び実践・記録のためのスキャナーやSDカード等の備品・消耗品の購入費、②授業記録を整理、分析するための機器や人件費、③ポートフォリオ型ワークシートおよび指導記録用紙の活用とその有効性を共同研究において検討するための旅費、④研究発表のための旅費や公表のための印刷費等に用いる。
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