研究課題/領域番号 |
16K00772
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
吉村 幸雄 四国大学, 生活科学部, 教授 (50122578)
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研究分担者 |
奥村 亮太 四国大学, 生活科学部, 助教 (00552118)
吉村 英悟 桐生大学, 医療保健学部, 助教 (40728359)
鎌田 智英実 四国大学, 生活科学部, 講師 (50389160)
鈴木 公 龍谷大学, 農学部, 教授 (00094730)
川野 因 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80277681)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 買い物弱者 / 栄養素摂取量 / フレイル / たんぱく質付加 |
研究実績の概要 |
本研究で行った買い物弱者の実地調査の結果から、特に摂取たんぱく質の不足が明らかとなった。そこで、過疎地域において、平成30年度から、栄養改善策の1つとして、たんぱく質摂取量を増加させることによって栄養状態が改善できるのか確認するための実証実験を開始し、今年度も継続して取り組んだ。 たんぱく質の摂取の改善には、明治の高たんぱく質ミルク(200ml/エネルギー摂取量102kcal、たんぱく質量15g)を用いた。10名程度の対象者に、3ヶ月間、日常の食生活を維持した上で、高たんぱく質ミルクを毎日1本摂取することを義務づけた。分析項目は、身長、体重、体組成(以上毎日測定)、栄養摂取量、血液分析(Hb, HD, LDL, TG, アルブミン)とし、開始時と1ヶ月毎の計4回計測した。 その結果、血清アルブミンが、開始時から、コンスタントに有意に増加した。他のHb、LDL、TGは、有意な変化はみられなかった。 このことは、フレイルの判定の1つの要素として、重要なたんぱく栄養の状態の指標である血清アルブミンが増加したことから、高たんぱく質ミルクの飲用は効果があると認められた。フレイルの栄養改善には、食生活指導が含まれるため、実施は容易ではない。例えば、肉類の摂取を徐々に増加させようとした場合、今までの食習慣の変更も必要になってくることから短期間では実現できないため、何年にもわたって食習慣の変容を確認、指導しなければならない。もう1つ、難しい点として、肉類、魚等のたんぱく質源となる食品の購入は、決して安価ではない。これらの点を考えると、高たんぱく質ミルクは、他のジュース飲料とほぼ同様の価格で入手できる。また、ミルクは料理材料として使うこともあるが常にそのまま飲用できるため、摂取の習慣化は容易であると考えている。
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