研究課題/領域番号 |
16K00778
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
前田 亜紀子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00286692)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特別支援学校 / 小学校 / 体温調節 / 衣服調節 / 寒暑の感覚 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
特別支援学校に通学する児童・生徒の保護者を対象に、体温および衣服調節に関する調査を実施した。群馬県内の特別支援学校11校から協力が得られ、441名の回答を得た(男児301名,女児140名)。障碍は知的障碍63%、肢体不自由7%、知肢重複障碍4%、聴覚障碍13%、無記入13%であった。知的障碍児は寒暑の判断が有意に難しく、全体の14%に熱中症罹患歴があった。夏季の着衣は67%が厚着傾向で、70%がきつめと回答し、夏向きとは言えない。保護者への衣服調節及び熱中症対策等の啓発活動が必要であると言える。 群馬県内の特別支援学校教員574名、公立小学校教員152名を対象に、子どもの体温および衣服調節に関する調査を実施した。体温調節上の留意点は、特別支援学校教員が体温上昇や末端部の冷えであった一方、小学校教員は発熱や唇が青いなど、目に見える症状を重視していた。教員の熱中症に対する認識は高いが、児童生徒の罹患率は特別支援学校23%、小学校34%であり、特支学校に通学する児童生徒の保護者の回答14%より高値であった。 知的障碍児の中には、寒暑の感覚を伝えることが難しく、発汗過多な状態にあっても、汗を拭きとる、着替えを行うなど、自分でできない子どもがいた。また、被覆部の体温上昇や発汗は、見た目では判断しにくいことから、保護者や教員、支援員は障碍児のより軽微な特徴を捉えるための手立てや情報を共有し、衣服調節を促すなどさせる必要があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
群馬県の特別支援学校および小学校の関係者による協力が得られたことが大きい。
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今後の研究の推進方策 |
知的障碍児童・生徒の体温および衣服気候を測定予定である。包括的測定手法の検討を行い、倫理的観点を踏まえた実験計画を立てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年1~3月に予定していた予備実験が協力校との調整ができず、人件費(謝金)が発生しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年5月に行う予備実験の旅費等に充てる。
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