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2016 年度 実施状況報告書

歴史的集落・町並みの保存・継承を担う次世代育成プログラムの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K00781
研究機関山梨大学

研究代表者

田中 勝  山梨大学, 総合研究部, 教授 (70202174)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード歴史的集落・町並み / 次世代育成 / 重伝建地区 / 住まい・まちづくり / ペーパークラフト
研究実績の概要

平成28年度は主として次の4点について検討した。
1)全国110ヶ所の重伝建地区の基礎調査として、歴史的集落・町並みの空間特性、自治体及び町並み保存団体等による町並み保存活動、学校教育における町並み保存学習の取り組みを把握するため、現地調査や文献調査を行った。また、伝建地区の選定時期や町並み保存学習の内容から地区の類型化を試みた。
2)歴史的集落・町並み保存のための次世代育成の具体的取り組みとして、肥前浜宿スケッチ大会(佐賀県鹿島市)や総合的な学習の時間「合掌家屋を造ろう!」の授業(岐阜県白川村)を観察し、効果と課題分析を行った。また、町並み保存のための次世代育成事業に取り組んでいるモデル的な自治体を対象に予備調査を行った。
3)平成28年度科研費の研究成果「山口醤油醸造場ペーパークラフト」を使った総合的な学習の時間の授業を鹿島市・地元NPO法人と共同で企画し、鹿島市立H小学校において授業実践・分析を行った。鹿島市浜中町八本木宿重伝建地区の歴史的町並みの体験型学習教材としてペーパークラフトは有効であり、学校・自治体・地域・大学等の連携による町並み保存学習の効果を確かめることができた。岐阜県白川村立S小学校4年生の総合的な学習の時間では旧遠山家住宅ペーパークラフトを組み立てる授業を導入し、旧遠山家住宅の見学や「合掌家屋を造ろう!」の授業とあわせた系統的な町並み保存学習のカリキュラム開発を試みることができた。このほか、過去の科研費等で開発した各地の民家ペーパークラフトを教材として、新潟県立T高校、大分県立S高校、山梨県立K高校、山梨県立F高校等で授業実践を行い、生徒の感想文や担当教師の授業評価等を収集・分析した。
4)鹿島市浜庄津町浜金屋町重伝建地区内の民家「南舟津の茅葺き三棟」をモデルにしたペーパークラフトを開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度研究実施計画に記載した項目すべてについて研究に着手し、それぞれ一定の成果を得た。
民家ペーパークラフトを活用した授業実践については多くの協力を得て、予定数以上の授業実践と資料収集が実現できた。

今後の研究の推進方策

新しく重伝建地区に選定された地区については基本調査を実施したい。
全国110ヶ所の重伝建地区を対象とした学校での町並み保存学習の取り組みについては全国規模のアンケートにより一定の把握を試みてきたが、授業実践の具体的内容については現地での聞き取り調査等が必要である。
町並み保存のための次世代育成プログラム開発やペーパークラフトを使った町並み保存学習の推進のためには重伝建地区を有する地方公共団体、教育委員会、町並み保存団体、学校との協力・連携が必要なため、研究計画の推進に向けては緊密に連携し、研究の一層の充実を図りたい。特に異文化交流事業に取り組む自治体の調査を検討したい。
平成29年度は海外のモデル都市における町並み保存の取り組みや学校での町並み保存学習の実態調査を行うことによって海外比較の視点を取り入れたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 山梨大学大学院教育学研究科 田中研究室(住居学研究室)

    • URL

      http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~tanaka/house.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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