今年度(2019年度)は、本研究課題の最終年度となるため、今まで取り組んだ研究成果のまとめとして学会報告(ポスター発表)の準備・作成と研究成果報告書のパンフレット作成に取り組んだ。また、2018年度に製作した冊子『知ろう・考えよう・作ってみよう ユニバーサルファッション』をテキストをテキストとして活用し、授業実践を行ったので、その副読本の授業効果についても検証を試みた。 具体的には、本研究のこれまでの研究活動をまとめ、①高齢者が抱える衣生活の問題を訪問介護を行う病院の協力で実態調査(3年間)、②高齢者の実態調査結果及び聞き取り調査をもとにした高齢者衣服の考案・製作、③考案した高齢者衣服の着心地の快適性と着脱動作の簡易性の検証(着脱動作の動線を分析)、④高齢者衣服の考案に関する教材開発として副読本『知ろう・考えよう・作ってみよう ユニバーサルファッション』を作成、⑤作成した副読本を活用した授業実践、などの一連の研究成果について、再度検証し総括した。中学校における授業実践では、高齢者の手指が不自由な状態を疑似体験するため、手袋や補助具を付けた状態で衣服の着脱体験を行ない、高齢者衣服の課題に気づき、さらに体験をもとに、中学校までに習得した基礎技術を用いて、高齢者衣服を考案する授業実践に取り組み、中学校段階でも様々な視点で、高齢者衣服の考案が可能であることを明らかにした。こうした一連の授業実践に関する活動の成果は、研究紀要等に報告した。 今年度は、最後に、これまでの研究成果の公開として学会報告を準備した(ポスター発表)。ただし、令和2年6月開催の学会が中止が決定されたため、今年度の最終研究報告は、次年度の学会で報告する予定である。
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