住生活環境のカビを長期にわたり調査してきたが、空気中のカビ汚染は季節に変動を受けやすい。また、居住環境は生活する人の行動等に大きく左右される傾向がある。そのため、調査した結果等より室内環境カビの空気中の実態は、特別な事情を除き比較的外気環境と類似したカビ汚染傾向にあることが、明確になりつつある。室内塵(ダスト)と室内空気カビの関係を明確にするために、カビ汚染度の測定方法、および室内塵(ダスト)の採取方法の検討を継続実施した。昨年度同様に本年度も、3~4種類の調査(落下法とエアーサンプラー法(AS法)に加え、迅速測定可能なパーティクルカウンター法(PC法)、微生物センサ法)の測定方法をできる限り、一定住宅において実施した。室内塵(掃除機内のダスト)は、月に1回採取し検出カビの分離・同定を試みた。 塵(ダスト)提供協力者を継続的に募り、対象住宅を1件増加させ、6つの住宅の塵(ダスト)調査を実施した。生活環境のカビの実態を調査するために塵(ダスト)中のカビ調査を試みることができ、塵(ダスト)から貴重なデータを収集可能することができた。統計学的な解析には、まだ不十分であるが、室内塵(ダスト)1gあたり10の4乗個から10の5乗個前後のカビが検出された。3カ所の主な検出カビはCladosporium、Penicilliumであった。この傾向は昨年度と類似していた。同時に住宅中の相対湿度を測定しているため、今後は相対湿度とのカビ汚染の関連性についても検討を試みたいと考える。
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