研究実績の概要 |
木造集合住宅の2F(G_01)、木造一戸建て住宅の1F(K_01)および2F(K_02)、鉄筋コンクリート集合住宅の7F(T_02)の計4カ所の、室内塵(ダスト)中の年次推移を検討した。室内塵(ダスト)は月1回収集し、室内空中カビの採取は月1~4回程度採取、空中カビについては月平均量を算出し、検出カビの分離・同定を試みた。 4カ所のカビ室内塵(ダスト)中のカビCFUの年別・月別推移は、月ごとに変動が多少みられた。ダスト1gあたりの生菌数(CFU)は、10の4乗~10の6乗個であった。2019年は2017年と2018年度に比べCFUは減少傾向にあった。ダスト中のカビCFUは、K-01とG-01の間に有意差(p < 0.01)が認められた。4カ所の空中(室内)落下のカビCFUの月別推移は、春期から夏期に多くなる傾向がみられた。特に、冬期の11~3月は減少する。φ9cmシャーレ5枚平均あたりのCFUは、10の1乗~10の2乗個であった。年間を通して、採取カ所別によるCFUに有意差は認められなかった。室内塵(ダスト)中の主要な検出カビは、Cladosporium, Penicilliumの順に多く、年間(約3年間)を通して採取カ所による検出カビの相違はみられなかった。空中落下カビ中の主要なカビの多くは、Mycelia, Cladosporium, Yeast, Penicillium, Alternaria, Aureobasidiumであった。採取場所による大きな相違はみられず、類似傾向にあった。空中(室内)微粒子数、温度、および相対湿度の関連を確認したところ、温度や湿度に若干の影響を受けるものの、室内塵(ダスト)と同様に空中微粒子数は、経時的には大きく変動しないことが確認できた。これまでの積み重ねたデータより、室内塵(ダスト)と微粒子の関連性について検討したいと考える。
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