研究課題/領域番号 |
16K00796
|
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
丸田 直美 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70183621)
|
研究分担者 |
宮武 恵子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (40390124)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 3D着装シュミレーション / 三次元人体計測 |
研究実績の概要 |
アパレル製品設計のための3Dシミュレーションモデル開発に向けて3D上での着装ボディの検討と3D上での衣服素材表現の検討の2つの観点からの研究を目的とした。 まず3D上での着装ボディの検討において、本年度は三次元計測データ分析用相同モデル化ソフト「mHBM」(別の研究費で購入)、相同モデル統計ソフト「HBS」を購入し、操作方法の確認等を行った。手持ちの若年者データを用いて全身の相同モデル化を行った。解剖学的な特徴点位置をどの部位に何個とるかによって相同モデルに差が出るかどうか検討した。着装ボディデータを取得するための三次元人体計測に関しては研究倫理申請を行い、共立女子大学において承認を得た(承認番号KWU-IRBA#16103)。その後、被検者(40歳代~60歳代)を広範囲に集めることにしたが、今年度は30名程度の計測にとどまった。H29年度にさらに被験者を増やす予定である。 3D上での衣服素材表現の検討においては、アパレル業界の製品設計をするために必要な基礎的素材データを3Dソフトに入力するために、主要なテキスタイル資料(ハンガースワッチ)約1500種類の収集を行った。参考としたのは、国内文献「Textile Handbook」「洋服地の事典」、海外文献「Fabric foe Fashion The Swatch Book」「FASHION DESIGNER’S TEXTILE DIRECTORY」「FASHION DESIGN BASICS」「FASHION DESIGN COURSE」等である。収集後、業界において専門家が使用する一般的な認識の素材区分(知見および資料)と照らし合わせながら、資料を素材特性にそって分類した。分類した素材のうち約140種類程度を、本年度購入した3Dシュミレーションソフト「Enterprise」にデータ入力する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3D上での着装ボディの検討と3D上での衣服素材表現の検討の2つの観点からのアプローチで研究を進めたが、研究代表者が予定していた三次元人体計測が当初の予定通りに進まなかった。大学の研究倫理委員会の承認後からの計測となり、被験者の募集が遅れたことが原因の一つと考えられる。H29年度は知人や学生の母親等に幅広く募集を呼び掛けて被験者数を確保する予定である。 研究分担者が担当している生地の収集・整理に関してはほぼ予定通り生地の収集作業および整理が出来たと考えており、H29年度は素材特性データを計測し、そのデータをソフトに入力していく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
H29年度も当初の計画通り3D上での着装ボディの検討と3D上での衣服素材表現の検討の2つの観点からのアプローチで研究を進める予定である。着装ボディからのアプローチにおいては、H28年度に達成できていない、人体計測の被験者数を確保することを第一に進める。同時に計測データの相同モデル化も進める予定である。 衣服素材表現からのアプローチはH29年度に素材特性計測用機器を購入予定(当初は計画していなかった)で、衣服製作における様々なニーズに対応できるような素材データを3Dシュミレーションソフト「Enterprise」に入力する。 また、実際の生地を使用して実物作品製作も行い、実際の衣服のシルエットと3Dシミュレーション上でのシルエットの比較検討も予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
H28年度は着装ボディ検討のための人体計測が予定通り進まず、被験者の募集が少なかったため、謝金用として使用しなかったことが第一の理由である。着装ボディ検討のためには人体計測データが不可欠であるため、次年度での計測用に繰り越しを行った。また、H28年度申請当時には計画していなかった衣服素材計測用機器の購入を検討することになり、メーカー用デモ機(割安である)がでるH29年度の購入を予定して繰り越しを行うこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
まず、H28年度に進まなかった人体計測を行う。被検者数を確保しその謝金として使用する。次に生地試験機を購入予定である。多くの生地データをソフトに入れ込むことによって3Dソフト上での素材表現のバリエーションが豊富になると考えられる。
|